2008 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病の発症・薬剤感受性に関連するSNPの探索と機能解析
Project/Area Number |
19590990
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水田 依久子 Osaka University, 医学部附属病院, 医員 (80397760)
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Keywords | パーキンソン病 / 一塩基多型 / 疾患感受性遺伝子 / 関連解析 |
Research Abstract |
孤発性パーキンソン病(PD)はアルツハイマー病についで高齢者に多い神経変性疾患である。多因子遺伝疾患のひとつであり、発症には複数の遺伝子・環境因子が関与する。本研究においては、大規模な候補遺伝子SNPsの関連解析により、これまでにαシヌクレインとcalbindin1の2つの確実なパーキンソン病(PD)感受性遺伝子を同定し、報告した(Hum Mol Genet,2006; Hum Genet,2008)。特にαシヌクレインの複数のSNPsはこれまで報告されたPD感受性遺伝子のなかで最も強い関連をもち、日本人のみならず白人でも同様の関連が報告されている。通説としてαシヌクレインの過剰な発現・凝集がPDの発症に関与すると考えられている。我々はこの多型のリスクアレルを持つ人では、剖検脳でのαシヌクレイン遺伝子発現レベルが増加する傾向も見出し、αシヌクレインのSNPが何らかの機構で遺伝子発現レベルに影響する可能性があると考えている。この機構を解明することにより、αシヌクレイン発現レベルを抑えるような治療法・予防法の開発が期待される。この解析のために、まず、日本人・白人で共通してPDと強く関連するSNPを同定した。報告された論文、SNPデータベースを詳細に調べて連鎖不平衡の情報も加味し、追加タイピングも行った結果、共通SNPを複数同定できた。
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