2008 Fiscal Year Annual Research Report
QTL解析で同定した候補領域のファインマッピングおよび候補遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
19591053
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森谷 眞紀 The University of Tokushima, 疾患ゲノム研究センター, 非常勤講師 (50301312)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板倉 光夫 徳島大学, 疾患ゲノム研究センター, 教授 (60134227)
|
Keywords | QTL / Lepr^<db> / サブコンジェニックマウス / 2型糖尿病 / 疾患感受性遺伝子 / 脂肪重量 / 高脂肪食負荷 / misty遺伝子 |
Research Abstract |
申請者らは、2型糖尿病モデルマウス(dbマウス)と糖尿病非発症マウスとの交配系を用いて、糖尿病の病態に関わる体重、内蔵脂肪重量等の量的形質(Quantitative Trait:QT)を修飾する座位解析(QTL)を実施してきた。本年度の研究期間内に以下の知見を得た。 1)我々が独自に見出した体重、内臓脂肪重量などの病態に寄与すると考えられる候補領域(B)の表現型効果は、体重(8週齢)で30%、腸間膜脂肪重量で40%増加しており、これらの形質を指標とすることで原因遺伝子のマッピングが可能である事が示された。さらに、5種類のサブコンジェニックマウスを用いて体重、内臓脂肪重量を指標にファインマッピングを行った結果、約8Mbの領域に絞られたが、この内、3Mb内にはほとんど遺伝子が存在しないため、約5Mbに絞られた。この領域内には57遺伝子がコードされ、これらの内で、ミスセンス変異を生じる9遺伝子を中心に、mRNA発現レベルをコンジェニックマウス/対照マウスで比較し、双方間に明らかな発現量の差を認める遺伝子の解析を、各種臓器(10種)を用いて継続して解析中である。 2)4番染色体の候補領域(A)の表現型効果は、肥満するdb/dbマウスでは証明されたが、その他の肥満モデルでは明白ではない。そこで、dbが野生型のマウスを用いて、高脂肪食負荷により肥満を誘導させたモデルでA領域の表現型効果を検討した。その結果、コンジェニックマウスで、体重、内臓脂肪重量、肝重量が対照群より有意に増加し、野生型での原因遺伝子の解析が可能である事が示された。しかし、その後の解析で、本領域内に存在するdbマウスの毛色を決めるmisty遺伝子が体重に影響を及ぼしている可能性が示唆された。そこで、7種のサブコンジェニックマウスで、D4Mit174とLepr遺伝子間(20.5M)で組換えを生じたマウス(72匹.黒毛)、組換えを生じていないマウス(24匹,黒毛又は灰色毛)を対象に、misty遺伝子の本体を同定する解析を試みた。20.5M内でC57BL6とDBA2系統間で多型を示す60SNPsのgenotypingを行った結果、D4Mit255とLepr遺伝子間の2.5Mに絞ることができた。現在、引き続きpositive controlでB6/B6型、negative contrでD2/D2型、さらに、組換えマウスでB6/B6型のgenotypeを示すSNP(すなわち、misty遺伝子の本体)を抽出中である。
|