2008 Fiscal Year Annual Research Report
巨核球成熟、血小板産生分子制御機構の解明:ヒト胚性幹細胞研究への応用
Project/Area Number |
19591096
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江藤 浩之 The University of Tokyo, 医科学研究所, 特任准教授 (50286986)
|
Keywords | ES細胞 / iPS細胞 / 巨核球 / 血小板 |
Research Abstract |
ヒトES細胞からの造血前駆細胞濃縮分子機構の解明と効率的血小板産生法への発展 ヒトES細胞からの分化培養により特異的な形態を持つネット様構造物内部に造血前駆細胞が濃縮されることを報告した(Takayamaら、Blood,2008)。このネット様構造物は、血管内皮細胞に発現している分子マーカーの発現を認あており内皮様構造であると同時に造血を促進維持するニッチの役割も担っていると考えられる。このネット様構造物の一部によって造血前駆細胞から、血小板前駆細胞体である巨核球への分化成熟が促進されることを観察した。また、巨核球からは血小板が放出され、電子顕微鏡、機能解析から、ヒト末梢血液の血小板に近似した血小板を培養皿内で産生する培養法を構築することに成功した(Takayamaら、Blood,2008)。 37℃培養条件で産生された血小板の機能維持 血小板輸血製剤は、日赤から供給後20-24℃という非常に狭い温度設定で保存し、4日以内の使用に限定されている。ES細胞から作成した血小板は、血小板細胞膜上の止血機能に必至なGPIbα受容体が37℃条件下で容易に切断(shedding)されてしまうことを見出した。また、コラーゲン受容体であるGPVIも同様にsheddingされることを明らかにした。ADAMファミリー分子による修飾によるこれらのsheddingは、メタロプロテアーゼ阻害剤の使用により、血小板機能の保持に働くこと、培養時期の一定期間のみ阻害剤が必須であること、阻害剤処理血小板はin vivoでも機能を保持できることなどを発見し、報告した(Nishikiiら、JExp Med, 2008)。
|
Research Products
(15 results)