2007 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー疾患に対するフラボノイドによる食事療法の開発
Project/Area Number |
19591165
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 敏郎 Osaka University, 医学系研究科, 准教授 (40273651)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 亨 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10437402)
|
Keywords | アレルギー / 補完代替療法 / フラボノイド |
Research Abstract |
フラボノイドは抗酸化活性とともに抗アレルギー作用(ヒスタミン、Th2サイトカイン、CD40リガンドの発現を抑制)を有することから、適切なフラボノイドの摂取がアレルギ疾患に対する補完代替療法や予防法と成り得る可能性があり、食品衛生法にて認可されている酵素処理イソケルシトリンのアレルギー疾患に対する有効性を検討した。 (1)酵素処理イソケルシトリンのスギ花粉症に対する有効性の検証 スギ花粉症に対して、二重盲検プラセボ対照比較試験を実施した。酵素処理イソケルシトリン(100mg/日)もしくはプラセボを3月4日から8週間服用し、症状スコアを指標として、フラボノイドの有効性を検討した。酵素処理イソケルシトリン摂取群において、プラセボ群と比較して、眼症状が抑制され、眼症状に対するフラボノイドの治療効果が観察された。平成20年度においては、予防効果に関して検討する予定である。 (2)酵素処理イソケルシトリンの喘息動物モデルでの有効性の検証 OVA感作喘息モデルマウスにおいて、酵素処理イソケルシトリン(0.1、1、10mg/kg)を経口投与することで、1、10mg/kgの酵素処理イソケルシトリンにおいて、気道過敏性が抑制される傾向が観察された。フラボノイドは配糖化により、水溶性が増し、消化管からの吸収性が向上する。一方、消化管に存在するβ-glucosidaseにより、脱糖化することで体内に吸収される。そこで、吸収性と脱糖化した吸収後のフラボノイドのIL-4産生抑制活性を考慮して、配糖化フィセチンを合成した。配糖化フィセチンは、フィセチンより吸収が良く、酵素処理イソケルシトリンよりin vivoでの抗アレルギー効果が勝るものと予想される。今後、OVA感作喘息モデルマウスにおいて、酵素処理フィセチンの有効性を検討する予定である。
|
Research Products
(21 results)