2007 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー疾患関連遺伝子発現制御を担う転写調節因子
Project/Area Number |
19591179
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
西山 千春 Juntendo University, 大学院・医学研究科, 准教授 (20327836)
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Keywords | 転写調節因子 / FcεRI / アレルギー / 一塩基置換多型 / PU.1 / マスト細胞 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
転写調節因子PU.1は血球系細胞分化のマスターレギュレーターであり、単球・穎粒球系特異的遺伝子発現並びに細胞分化に必須であるばかりでなく、その発現量が造血系細胞分化の分岐を決定し得ることが明らかになってきている。現在、PU.1によって制御される遺伝子群をマイクロアレイによって網羅的に解析すると共に、異なる分化段階にある細胞への強制発現を介して機能発現の機構を解析している。また、赤血球・巨核球系列分化に必須の転写調節因子GATA-1についても同様に造血系幹細胞から樹状細胞分化誘導時に強制発現を行った結果、単球系細胞分化を抑制し、穎粒球系細胞への分化を促す働きがあることを確認している。一方、PU.1のパートナー分子であり単球系細胞特異的として知られているICSBP/IRF-8の発現をマスト細胞で認めたことから、マスト細胞もマクロファージや樹状細胞と同様にIL-12の主要な産生細胞として細菌感染に対する生体防御に関わることを見出した。他方、転写調節因子の標的となる遺伝子発現制御領域に存在する一塩基置換多型がアレルギー疾患感受性や表現型と関わる事例を、IgE受容体、IL-12などの構成分子をコードする遺伝子において見出し、多型が遺伝子機能に及ぼす影響を解析している。更には、多型と疾患との相関をより正確に把握することを目的に、様々なアレルギー疾患や異なる民族(日本と欧米)間での多型の頻度を解析している。
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Research Products
(17 results)