2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591194
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Research Institution | Sagami Women's Junior College |
Principal Investigator |
清家 正博 Sagami Women's Junior College, 食物栄養学科, 教授 (50346714)
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Keywords | ヒスタミン / H4受容体 / 慢性アレルギー性皮膚炎 / 肥満細胞 / 好酸球 |
Research Abstract |
マウスの背部にハプテンを反復途布して慢性アレルギー性皮膚炎を発症させ、野生型マウスにはヒスタミンH4受容体拮抗剤をヒスタミン欠如マウスにはH4受容体作動剤をそれぞれ投与して、慢性アレルギー反応における病変部の病理組織、炎症細胞浸潤と炎症性サイトカイン、血中IgEに対するH4受容体の作用について検討した。 野生型マウスにH4受容体拮抗剤を投与すると、皮膚病理組織において表皮肥厚と海綿状変化が緩和され、炎症細胞数が減少した。特に肥満細胞と好酸球の減少が顕著であった。病変部においては抗IgE抗体と抗H4受容体抗体に対して共に陽性である細胞を認め、肥満細胞がH4受容体を発現していることが確認できた。病変部のTh2サイトカイン(IL-4、5、6)と血中IgEが減少したのに対して、Th1サイトカイン(IFN-γとIL-12)はむしろ増加した。ヒスタミン欠如マウスにH4受容体作動剤を投与すると、逆に皮膚病変は増悪した。Th2サイトカインとIgEは増加し、Th1サイトカインは減少傾向にあった。 ハプテンで1回惹起するだけのcontact hypersensitivity反応ではH4受容体の関与は認められなかった。 以上の結果から、慢性アレルギー反応においてヒスタミンはH4受容体を介して肥満細胞や好酸球を病変部に遊走させ、TH2優位することで病勢を悪化させていることがわかった。アトピー性皮膚炎などの慢性アレルギー疾患において、H4受容体拮抗剤が有効である可能性を示唆している。
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Research Products
(1 results)