2007 Fiscal Year Annual Research Report
人工ヒト型抗ロタウイルス中和抗体を利用した、感染防御・治療法の開発
Project/Area Number |
19591266
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
守口 匡子 Fujita Health University, 医学部, 講師 (60298528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 孝喜 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40094213)
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Keywords | ファージ抗体 / HRV / ヒト型 / モノクローナル / 交叉反応性 / 受動免疫 / 乳酸菌 / 中和 |
Research Abstract |
我々はこれまでに、ファージ抗体ライブラリーからHRVを中和するヒト型のモノクローナル抗体を12クローン単離し、代表的な3クローンの詳細な解析を行ってきた。そして、2クローンが交叉反応性抗VP4中和抗体、1クローンがG1タイプ特異的抗VP7中和抗体であること、これら3抗体が認識するVP4及びVP7上の中和エピトープは、これまで報告されているマウスの抗HRV抗体のそれらと異なることを明らかにした。今年度は特に、これら抗体を用いた感染防御・治療法の開発を目指し、3抗体による受動免疫効果をマウスのモデル実験系を用いて検証した。また、HRV感染の場である、腸管における抗体の持続的供給を目指し、乳酸菌による抗体発現系の確立を行った。まず、受動免疫効果に関しては、上記3つの抗HRV抗体投与群全てでHRV感染による下痢の発症が抑制され、それらマウスより摘出した腸管組織に含まれるウイルス粒子も、抗VZV抗体投与群のそれらと比して少ないことが、ELISAにより明らかとなった。また、乳酸菌による抗体発現系の確立に関しては、上記3抗体のうち1抗体のみではあるが、抗体分子の発現がウエスタンブロッティング法で確認され、更に、精製抗体分子による中和活性も確認され、乳酸菌によるヒト型抗体の発現が可能であることが明らかとなった。
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