2008 Fiscal Year Annual Research Report
鎮痛鎮静剤と抗てんかん薬の使用は未熟児新生児脳を虚血低酸素障害から護れるか?
Project/Area Number |
19591276
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
石田 和子 (中島 和子) Akita University, 医学部, 講師 (20301062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 忍 秋田大学, 医学部, 医員 (40455879)
河村 正成 秋田大学, 医学部, 医員 (30400500)
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Keywords | 低酸素性虚血性脳症 / アセトアミノフェン / 鎮痛鎮静剤 / 軸索 / 脳室周囲白質軟化症 / 炎症 / アストロサイト |
Research Abstract |
(1) 日齢7新生仔ラット低酸素性虚血性脳症モデルを用いた、鎮静剤の選択による脳保護効果の違いA. 前年度は同モデルで低酸素負荷終了直後にアセトアミノフェン20mg/kg、50mg/kgを腹腔内投与し、168時間後の肉眼的評価で脳保護効果が得られることを確認した。今年度は、0, 24, 48, 168時間の各時点において、薬剤群、コントロール群で、脳梗塞巣の経時変化を肉眼的評価・障害側の健常側に対する脳重量減少度・各脳部位での障害細胞数を数えることでそれぞれ比較検討した。薬剤群で障害が有意に少なかったことから、脳保護効果があることを確認した。現在、アストロサイトのマーカー、一酸化窒素合成酵素など複数の抗体を用いて、アセトアミノフェン投与で脳保護効果得が得られる機序が、抗炎症作用だけによるのかを検討中である。 (2) 脳室周囲白室軟化症(PVL)モデルの作成日齢3ラットの片側頚動脈結紮後30分間5%酸素暴露を行い、負荷後7日で、PVLに特徴的とされる脳室拡大所見が得られるかどうかを確認した。約半数のラットで脳室拡大を認め、脳梁での神経線維の減少を得たことから、PVLモデルとして実用可能であると考えた。個体による所見の相違は、成熟時の低酸素負荷モデルでみられるのと同様に、個体の低酸素暴露に対する感受性の違いによると考えた。現在は、負荷後24、48時間、7、21日後の脳を準備し、軸索伸張に関連する蛋白の発現が減弱しているか、炎症の関与が証明できるかをパラフィン切片と、脳皮質を用いたウエスタンブロットで調べている。
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Research Products
(1 results)