2008 Fiscal Year Annual Research Report
未熟児低血糖症の新たな病態解明(アクアポリングリセロール輸送体の関与)
Project/Area Number |
19591287
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
柴山 啓子 Kitasato University, 医学部, 非常勤講師 (20398580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野渡 正彦 北里大学, 医学部, 講師 (00208406)
田久保 憲行 北里大学, 医学部, 助教 (20306583)
松浦 信夫 聖徳大学, 人文学部, 教授 (50002332)
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Keywords | 低血糖 / 子宮内発育不全 |
Research Abstract |
妊娠ラットを用いた子宮内発育不全ラットの検討 方法:子宮内発育不全ラットは、既報(Ozaki T.et al.J Physiol530:141-152,2001)に従って作成した。具体的には、生後12-14週の妊娠経験の無いメスのWistarラットを交配させ、飼料制限群とコントロール群の2群に分けた。 飼料制限群では妊娠0日から妊娠18日までの期間、母ラットの飼料の摂取量を、コントロール群の母ラットがそれぞれの妊娠目に摂取した量の70%に制限した。妊娠19日からは飼料を自由摂食とした。出産後、それぞれの母ラットの仔は、生後1日に仔ラットの数を母1匹あたり10匹に調整した。出産した仔の数が8匹未満、あるいは17匹以上の母の仔は検討の対象からはずした。生後1日齢と生後3日齢で仔ラットを採取した。さらに生後3日齢では、仔ラットを17時間飢餓群と自由哺乳群の2群に分けて検討した。 結果:母ラット1匹あたりの出産した仔の数は、飼料制限群とコントロール群の間で差はなかった。仔ラットの体重は、生後1日齢、3日齢17時間飢餓群、3日齢自由哺乳群のすべてで、母が飼料制限群の仔では、コントロール群の仔と比べてそれぞれ78%、74%、78%と有意に低下した。血糖値は、コントロール群では、1日齢に比して、3日齢17時間飢餓群、3日齢自由哺乳群でそれぞれ125%、140%と有意に上昇した。しかし、飼料制限群の母の仔では、1日齢と比較して3日齢での血糖値が、17時間飢餓群で97%、自由哺乳群で111%と、ともにコントロール群に比して有意に低下した。 考察:妊娠中の母体の低栄養により、仔の子宮内発育不全と出生後の遷延性の低血糖が惹起されることが示唆された。
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Research Products
(2 results)