2007 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚におけるarteminの発現機構とその分子生理学的役割の検討
Project/Area Number |
19591304
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
室田 浩之 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (90363499)
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Keywords | 皮膚生理学 |
Research Abstract |
神経栄養因子の一つ、Arteminの皮膚における発現と機能の解析を行っている。 1.in situ hybridization (ISH):健常皮膚とアトピー性皮膚炎病変部のISHを行った。アトピー性皮膚炎の真皮線維芽細胞でarteminのmRNAの発現が認められ、本研究の立案根拠となったin vitroの結果を裏付ける結果となった。 2.表皮におけるGFRalpha3の発現:mRNAレベルの発現は確認できなかった。しかし興味深いことにISHにおいて表皮からもarteminが発現していることが明らかとなった。 3.サブスタンスPが温度感受性に影響を及ぼすか?:サブスタンスP、arteminをマウスの足底に投与したのち、病理組織学的に生理的に検証を行った。いずれの足底も神経線維が伸長し、TRPV1陽性線維が増加している傾向が確認された。さらにハーグリーブス法にて温度痛覚過敏の精査を行ったところ、リコンビナントarteminを足底に投与したところ、温度痛覚過敏が生じていることが明らかとなった。このことから、アトピー性皮膚炎でみられる温度痛覚過敏はarteminによって生じている可能性が示唆された。 4.siRNAを用いた線維芽細胞のarteminノックダウン:様々なプローブ、reagentを試したが、ノックダウンすることはできなかった。 5.SH-SY5Y細胞のlipid raftを修飾させ、arteminのシグナルにどのような影響が生じるか?:SH-SY5Yをarteminで刺激するとRETチロシン型受容体のS696のリン酸化が生じる事が判明した。さらにBrdU incorporation assayからarteminによって増殖能が亢進し、樹状突起をのばすなどの形態的変化が生じることを突きとめた。今後、これらをアウトカムとしてコレステロール欠失などによるlipid raftの影響を見ていく四k低である 以上のことから、本研究の妥当性がさらに明らかになるとともに、アトピー性皮膚炎の温度痛覚過敏の原因の新しいメカニズムの解明に寄与するものと考えられた。
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Research Products
(1 results)