2007 Fiscal Year Annual Research Report
創傷治癒過程における、B細胞およびB細胞シグナル伝達分子の in vivo の役割
Project/Area Number |
19591314
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佐藤 伸一 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20215792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 文秀 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10333519)
小村 一浩 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50401914)
岩田 洋平 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (60437861)
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Keywords | B細胞 / 創傷治癒 / CD19 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
本年度は、B細胞機能に重要な働きを担っているシグナル伝達分子であるCD19を欠損したマウスを用いて、このマウスにおいて創傷治癒が遅延するかどうかについて検討を行った。創面積はCD19ノックアウトマウスでは野生型マウスと比較して、受傷後3日、7日共に有意に増大していた。また、上皮化のため周囲より遊走してきた上皮細胞の先端の間の距離であり、再上皮化の指標となる上皮間距離も、CD19ノックアウトマウスでは野生型マウスと比較して、受傷後3日、7日共に有意に増大していた。さらに、肉芽組織の面積についても、CD19ノックアウトマウスでは野生型マウスと比較して、受傷後3日、7日共に有意に減少していた。このようにCD19ノックアウトマウスでは受傷早期から創傷治癒遅延が認められることが明らかとなった。創部における炎症細胞浸潤については、CD19ノックアウトマウスでは野生型マウスと比較して、受傷後3日に好中球浸潤の有意な減少が認められた。さらに、マクロファージ浸潤もCD19ノックアウトマウスでは野生型マウスと比較して、受傷後3日、7日共に有意に減少していた。抗B220抗体による免疫組織学的染色によってB細胞浸潤が創部に観察された。創部のサイトカインおよび細胞成長因子のmRNA発現を解析したところ、bFGFの発現は、CD19ノックアウトマウスでは野生型マウスと比較して、受傷後3日、7日共に有意に減少していた。一方、PDGF、TGF-β、IL-10の発現については、CD19ノックアウトマウスでは野生型マウスと比較して、受傷後3日のみで有意に減少していた。このようにCD19ノックアウトマウスで見られた創傷治癒遅延は、サイトカインおよび細胞成長因子の発現減少を伴っていた。
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