2008 Fiscal Year Annual Research Report
創傷治癒過程における、B細胞およびB細胞シグナル伝達分子のin vivoの役割
Project/Area Number |
19591314
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佐藤 伸一 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20215792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 文秀 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10333519)
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Keywords | B細胞 / 創傷治癒 / CD19 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
昨年度は、B細胞機能に重要な働きを担っているB細胞シグナル伝達分子であるCD19を欠損したマウスでは、創傷治癒遅延が生じ、それは創部でのbasic fibroblast growth factor(bFGF)やplatelet-derived growth factor(PDGF)などの各種サイトカイン産生低下を伴っていたことを明らかにした。本年度はCD19ノックアウトマウスでみられた、この創傷治癒遅延が、細胞成長因子を投与することによって、正常化されるかどうかについて検討した。具体的には、basic fibroblast growth factor(bFGF)とplatelet-derived growth factor(PDGF)を創作成直後と12時間後に創に投与し、その後occlusive dressingとした。受傷3日後、無処置のCD19ノックアウトマウスと比較して、bFGF投与を受けたCD19ノックアウトマウスでは有意に創面積が減少した(p<0.0001)。この時点で、すでに野生型マウスとbFGFの投与を受けたCD19ノックアウトマウスの間には創面積について有意差は見られなかった。 受傷3日後、PDGF投与によっても、無処置のCD19ノックアウトマウスと比較して有意に創面積が減少したが(p<0.05)、その程度はbFGFと比べると軽度であった。受傷7日後でも無処置のCD19ノックアウトマウスと比較してbFGF投与を受けたCD19ノックアウトマウスでは有意に創面積が減少した(p<0.05)。また、野生型マウスとbFGFの投与を受けたCD19ノックアウトマウスの間には創面積について有意差は見られなかった。対照的に、受傷7日後では、PDGF投与によってみられた創面積の減少効果は認められなかった。
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