2008 Fiscal Year Annual Research Report
cAMP情報伝達系を標的にした気分障害と統合失調症の新規治療法開発に関する研究
Project/Area Number |
19591362
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小澤 寛樹 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50260766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中根 秀之 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90274795)
黒滝 直弘 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (20423634)
木下 裕久 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10380883)
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Keywords | うつ病 / 脳情報伝達 / cAMP / BDNF / 神経幹細胞 |
Research Abstract |
ICD-10によってうつ病(と診断された長崎大学医学部・歯学部付属病院精神神経科を受診した50歳以上の患者のうち薬物抵抗性または薬物治療不耐性と判断する外来・入院症例を対象した。心疾疾患の既往またその他の重症な身体疾患がなく、頭部MRIを施行し、T2,T1画像にて確認される微小梗塞が存在するうつ病症例において書面にて同意を得た症例に対して脳梗塞の臨床適応が認められているcAMP増強薬(シロスタゾール)を使用した。シロスタゾールを脳梗塞後うつ病患者10名に関して50-200mg投与し、0、4、8,12週時のHAMD、血清BDNFを測定した。HAMDは経時的に減少を示し、血中BDNFは経時的に増加を示した。一方統合失調症においては変化が認められなかった。基礎的検討としての神経幹細胞に対するリチウムとドーパミン作動薬でありメチルフェニデートの影響を検討した。リチウムは幼弱な神経細胞のマーカーであるTuj1陽性細胞数は、どの濃度でもコントロール群に比べ減少が認められ、1000μMではコントロール群に対して統計学的に有意に減少がみられた。メチルフェニデートは治療濃度においでは神経細胞の分化は促進し、高濃度では抑制を示した。一方グリアのマーカーであるGFAP陽性細胞に関しては、500μMまでは増加傾向を示したが、1000μMでは統計学的な有意差を持って減少が認められた。メチルフェニデートはグリアへの分化には影響は少なかった、また増殖能に関しては抑制的である。これまで我々は炭酸リチウムが濃度依存的に神経幹細胞の増殖能を促進することを報告しているが、このことは増殖の過程と分化は単純に同一というよりむしろ拮抗的なバランスが存在している可能性が示唆され、うつ病や統合失調症の難治化・慢性化にはグリア細胞の役割が重要であることが推察された。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] プライマリケア医のうつ病診療に関する実態調査2008
Author(s)
石田康, 長友慶子, 池田学, 内村直尚, 大内清小澤寛樹, 北村俊則, 近藤毅, 赤崎安昭, 佐野輝, 寺尾岳, 西村良二, 山田茂人, 神庭重信, 中村純
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Journal Title
九州精神医学 54(2)
Pages: 120-126
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[Presentation] opy number analyses in monozygotic twins discordant for schizopherenia2008
Author(s)
Imamura A, Tasaki S, Ono S, Hashida A, Kurotaki N, KikuchiT, Yoshiura K, Okazaki Y, Ozawa H
Organizer
2^<nd> WFSBP Asia-Pacific Congress and 30^<th> Annual Meeting of JSBP
Place of Presentation
Toyama International ConferenceCenter, Toyama, Japan
Year and Date
20080911-20080913
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