2008 Fiscal Year Annual Research Report
社会性に関連する脳内分子の遺伝/環境相互作用メカニズムの解明
Project/Area Number |
19591388
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
横山 ちひろ The Institute of Physical and Chemical Research, 分子プローブ機能評価研究チーム, 研究員 (90264754)
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Keywords | コモンマーモセット / 社会性 / 遺伝子多型 / 脳分子イメージング / セロトニン / 養育環境 / 個体間コミュニケーション / microPET |
Research Abstract |
本研究の目的は、マーモセットを用いて社会性行動における遺伝子/環境-行動連関の分子基盤を明らかにすることであり、本年度は以下の研究成果を得た。 I.マーモセット遺伝子型と分子機能に関する表現型 社会性に関連する分子についてマーモセットの遺伝子多型を確認し、研究所内で繁殖飼育された個体のサンプルをとり引き続き調査中である。microPETによるマーモセット脳分子イメージングについては、無麻酔下のPET撮像方法にて[^<11>C]DASB、[^<11>C]VORに加えて[^<11>C]PE21を用いた実験を行い、セロトニントランスポーター、エストロゲン合成酵素、ドパミントランスポーターの脳内局在活性を調査し、現在遺伝子多型や以下の行動指標との関連を解析中である。 II.マーモセットの社会性行動に関する表現型 新奇個体との直接対面時の行動指標の因子分析の結果、攻撃性、不安、社交性の3因子が抽出された。それぞれの因子スコアと脳内特異的部位におけるセロトニントランスポーター結合活性の間に、有意な相関が認められているため、画像統計(SPM)にて解析中である。エストロゲン合成酵素、ドパミントランスポーターについても社会行動との関連について引き続き調査中。 III.マーモセットの遺伝/環境要因相互作用 人工哺育(親子分離)の個体(3ヶ月齢)を用いた「擬似対面テスト」では、対面個体の観察時間と発声数に乖離が見られ、親哺育にて飼育した個体との差が明らかとなった。5ヶ月齢でペアリングを行い、新奇個体との直接対面時の行動観察を行った結果、人工哺育と親哺育の個体で社会行動に差が生じることが明らかとなった。その後の飼育条件は仲間との同居の有無を設定し、12ヶ月齢にて再び新奇個体と直接対面を行い、仲間関係の剥奪の影響を調べる。親子関係および仲間関係の剥奪された個体について、microPETによるイメージング実験のための頭部手術など実施中。
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Research Products
(1 results)