2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591445
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
豊原 潤 Chiba University, 社会精神保健教育研究センター, 講師 (50425659)
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Keywords | 放射性医薬品 / 核医学 / チミジンホスホリラーゼ / ストレス / 腫瘍 / 分子イメージンヴ / スクレオシド |
Research Abstract |
悪性腫瘍は,発がん物質や低酸素,低グルコースなどのストレスに対して、生存能力を獲得した細胞と捉えることができる。したがって、これらのストレスに応答する分子を標的とした放射性画像診断薬は、腫瘍の病態機能を解明する上で重要であると考えられる。 チミジンボスホリラーゼはミトコンドリア機能の正常化や細胞の病的なストレスからの回復に関連した、ヌクレオシド代謝を掌る酵素である。この酵素は広い範囲の腫瘍組織で選択的に高発現しており、低酸素などの生理的なストレスや抗がん剤などの化学的なストレスに対して誘導され、ヌクレオシド代謝を亢進させることによって細胞の生存に寄与していると考えられている。 そこで研究代表者は、チミジンホスホリラーゼの酵素活性を非侵襲的に測定可能な放射性画像診断薬を開発する目的で、汎用性の高い放射性ヨウ素123で標識可能な5'-deoxy-5'-iodo-thymidine(1)および5'-deoxy-5'-iodo-uridine(2)をデザインし、その合成およびインビトロでのチミジンホスホリラーゼに対する酵素反応を検討した。その結果、いずれの化合物も収率>20%、純度>99%(HPLC分析)で得ることが可能であった。チミジンホスホリラーゼを用いて、これらの化合物をインビトロで代謝させたところ、化合物(1)、(2)ともに代謝を受けた。代謝速度は、それぞれ23.2±0.5pmol/units/min、20.7±1.4pmol/units/minであった。今後、これらの化合物を放射性ヨウ素125で標識して、マウスでの体内分布実験を実施する。
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