2008 Fiscal Year Annual Research Report
放射線と血流遮断剤で腫瘍内の抗癌剤AUCを増大する新規放射線化学療法の開発
Project/Area Number |
19591449
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀 勝義 Tohoku University, 加齢医学研究所, 准教授 (00143032)
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Keywords | 放射線療法 / 抗癌剤 / 腫瘍血流遮断 / 治療効果増強 |
Research Abstract |
放射線照射後、腫瘍血流量が著明に増加し、それに伴って腫瘍微小循環機能が著しく改善することを明らかにしてきた。本研究はこの腫瘍微小循環の改善を利用して抗癌剤の腫瘍到達量を高め、引き続き腫瘍血流を遮断して、抗癌剤の腫瘍からの流出を遅らせることにより、抗癌剤の腫瘍内AUCを増大させようとすることを目的とする。今年度の研究目標の一つは、照射後に投与する薬剤の腫瘍組織内濃度が最大になる時間を決定することであった。この実験に用いた蛍光物質は、分子量376.3のfluorescein sodium, 分子量4000のFITCデキストラン, 分子量約15000のFITCミセル、および分子量約70000のFITCアルブミンであった。腫瘍組織内濃度がピークに達するまでの時間は、物質の分子量に依存する傾向があり、fluorescein sodiumでは静脈内投与後2-3分、分子量4000のFITCデキストランでは4-5分後、FITCミセルでは2時間後、FITCアルブミンでは3-4時間後であった。放射線照射2-4日後には、血管透過性が著しく亢進しているため、組織内濃度がピークに達する時間もコントロールに比べて速まったが、クリアランスも亢進しているため、高分子であっても腫瘍組織に長く留まらなかった。また、腫瘍血管および腫瘍組織の変性の度合も物質の腫瘍内停留を左右する重要因子であった。さらに、物質の停留には腫瘍血流量の変動が大きく関係していることも明ちかにした。もう一つの目標である腫瘍血流遮断のタイミングについては、放射線照射後3日目が最も効果的であることがわかり、現在、その理由を究明しているところである。
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Research Products
(2 results)