2008 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌に対する新しい免疫療法自己ガンマデルタT細胞活性化療法の臨床的研究
Project/Area Number |
19591613
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中島 淳 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 准教授 (90188954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣見 和宏 東京大学, 医学部・附属病院, 特任准教授 (80273358)
村川 知弘 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (50359626)
深見 武史 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (40396742)
倉知 慎 東京大学, 医学部, 助教 (00396722)
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Keywords | 臨床研究 / ガンマデルタT細胞 / 非小細胞肺癌 / 再発 / 免疫療法 / 有害事象 / FACT-BRM total score / QOL |
Research Abstract |
【目的】治療困難・予後不良な肺癌再発例に対して自己活性化γδ-T細胞(γδT)による免疫療法を試み、安全性および有効性について明らかにする。【対象と方法】原発性肺癌、非小細胞肺癌治療後再発例、本研究に同意された方。評価可能病変を有し、除外基準を持たないことを条件とした。【結果】12例同意されたが2例がγδTが増殖せず除外された。腺癌8例・扁平上皮癌1例・大細胞癌1例を対象とした。事前に2種類以上の治療を8例が受けていた。γδTは3~12回投与された(中央値6回)。全有害事象はGrade1のべ3回、Grade3のべ2回(細菌性肺炎・放射線肺炎)であった。いずれもγδT治療と関連は無かった。投与後240~850日(中央値445日)観察され、最終観察時生存6、死亡4例であった。γδT投与中死亡は見られなかった。死因はいずれも肺癌再発増悪であった。RECICS判定では5回投与後CR/PR/SD/PD=0/0/5/4であった。後観察基幹では0/0/3/5判定不能2であった。CR+PR+SDの割合を病勢コントロール率とすると5回投与後では50%,後観察期間では30%であった。投与後末梢血中のVγ9δT細胞数は次第に増加傾向にあった。FACT-BRM total scoreの経時的測定においてはGrade3有害事象症例をのぞき、投与期間中はスコア値が安定ないし上昇し、治療期間中のQOLは良好に保たれた。【考察】非小細胞肺癌表面に過剰発現するMICA/Bを認識するNKG2DをγδTは発現しており、isopentenyl pyrophosphateをTCR/CD3のリガンドとして認識し、癌細胞に接触・破壊する。体内に多量の自己γδTを投与した場合の安全性ならびに有効性について明らかにしたが、さらに今後はこの細胞障害活性をより効果的に体内で発現させるための方策について検討を進めたい。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Zoledronate facilitates large-scale ex vivo expansion of functional T cells from cancer patients for use in adoptive immunotherapy.2008
Author(s)
Kondo M, Sakuta K, Noguchi A, Ariyoshi N, Sato K, Sato S, Sato K, Hosoi A, Nakajima J, Yoshida Y, Shiraishi K, Nakagawa K, Kakimi K.
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Journal Title
Cytotherapy 10
Pages: 842-856
Peer Reviewed
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[Presentation] ゾレドロン酸を用いて培養したVγ9Vδ2T細胞による免疫細胞治療2008
Author(s)
近藤真,作田和子,野口敦崇,有吉直子,佐藤和聡,佐藤志保,佐藤啓介,細井亮宏,中野由貴子,木村公則,垣見和宏
Organizer
第12回基盤的癌免疫研究会総会
Place of Presentation
さいたま市
Year and Date
20080700
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