2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591622
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
碓氷 章彦 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30283443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 裕一 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80314011)
大島 英輝 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (40378188)
荒木 善盛 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助手 (70437010)
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Keywords | 僧帽弁形成術 / 僧帽弁逆流 / 心筋梗塞 / 心拍動下手術 / 超高速度カメラ |
Research Abstract |
本研究では左室拡大・僧帽弁輪拡大に伴う僧帽弁閉鎖不全症に対し、人工心肺を用いず心拍動下に僧帽弁輪形成を行う術式の開発を行った。ブタ灌流心を用い、僧帽弁輪の解剖学的観察を行い、心臓外側からの僧帽弁輪へのアプローチ法を検討した。僧帽弁輪の前尖側は、大動脈基部に接続する左房前壁基部に該当し、大動脈基部の右側からのアプローチが可能であるため、大動脈基部に接続する前尖弁輪と、房室間溝に接続する対側の後尖弁輪を大動脈基部右側から挟み、僧帽弁輪前後径を縮小させる弁輪形成器具を試作した。 ブタ灌流心では、心不全に伴い左室は拡大をきたし、僧帽弁輪拡大を来たし、僧帽弁逆流を呈する。僧帽弁輪は前後径、左右径ともに約10%の拡大を示し、左室側から超高速度カメラで僧帽弁を観察すると、弁輪径の拡大に伴い、僧帽弁の前尖・後尖の接合が浅くなり、僧帽弁中央部からの逆流を認めるようになった。 大動脈基部に接続する前尖弁輪と、房室間溝に接続する対側の後尖弁輪を外側から挟むことにより、僧帽弁前後径は短縮し、前後弁尖の接合は深くなり、逆流制御を認めた。ブタ灌流心に超高速度カメラを装着し、僧帽弁輪前後径短縮に伴う僧帽弁の開閉状態を左室側から観察すると、僧帽弁輪の前後方向への短縮により僧帽弁逆流の制御が可能であり、装具の着脱により僧帽弁逆流の増悪を認めた。 正中切開で施行する心臓手術では、僧帽弁輪へのアプローチは制限されるため、大動脈基部右側から左房天井へのアプローチと、房室間溝へのアプローチを同時に施行しなくてはならない。このため僧帽弁輪へのアプローチを容易にする手術支援システムの開発を行った。
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Research Products
(1 results)