2008 Fiscal Year Annual Research Report
コリンキナーゼの肺腺癌における発現および活性とアセテートPETとの関連性の検討
Project/Area Number |
19591631
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
森 毅 Kumamoto University, 医学部附属病院, 講師 (60398196)
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Keywords | 肺腺癌 / コリンキナーゼ / アセテートPET |
Research Abstract |
1.肺腺癌におけるコリンキナーゼ(ChoK)の発現 (免疫染色、Western blot法)昨年度、商業的に入手可能なChokに対する数種類の抗体を用いて、種々の条件で実験を行ったが、再現性のあるデータが現在まで得られなかった。このため、本年度はChoKに対する有用な抗体作成を主に行なった。新たに抗原決定基を推定し、ペプチドを作成した。これを用いて、家兎を免疫し、抗体を得た。これを用いて免疫染色を行なった。腺癌において細気管支肺胞上皮癌成分はほとんど染色されないのに対し、腺様構造を呈する部分は高度に染色された。このことにより、ChoKは組織型もしくは悪性度に相関する可能性が示唆された。 (real time-PCR法)原発性肺癌切除時に凍結した癌病変および正常肺組織を用いて、Real time-Polymerase Chain Reaction(real time PCR)法を用いて、コリンキナーゼ(ChoK)mRNAの肺癌組織中の発現およびその発現量を測定した。28例の腺癌に対し、real time PCRを行った。10例にChoK mRNAの過常発現がみられた。ChoK発現と組織型および悪性度との相関は認められなかった。 。 2.コリンキナーゼとアセテートPETと関連性 免疫染色を用いたChoKの発現とアセテートPETのstandard uptake value(SUV)には弱い相関を認めた(r=0.401)。一方、real time PCRを用いた検討ではChoKの発現とアセテートPETのSUVには相関を認めなかった。今後は肺癌に関連する諸因子との関係を検討することで、今後の更なる研究の発展が期待される。
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