2007 Fiscal Year Annual Research Report
一過性脳虚血再潅流後の脳血管反応性変化に及ぼす活性酸素種の影響に関する研究
Project/Area Number |
19591798
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
飯田 靖彦 Yamaguchi University, 医学部附属病院, 助教 (90304485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 美志也 山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60243664)
石田 和慶 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (80314813)
山下 敦生 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (50379971)
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Keywords | 脳虚血 / 脳血流 / 内皮依存性弛緩反応 / 活性酸素種 |
Research Abstract |
脳の虚血再潅流では活性酸素種が生成され、再潅流時の脳血管反応性に影響を与える。再潅流早期の脳血管拡張と血液脳関門の透過性亢進が脳浮腫や頭蓋内圧亢進をおこし、病態を悪化させる可能性がある。一方で、血管内皮依存性弛緩反応は減弱し、ラジカル除去剤で回復するともいわれ、再潅流後の血管内皮機能障害に活性酸素種が関与していることも考えられる。本年度は、一過性脳虚血後の脳血管拡張を経時的に観察し、さらに虚血前後での血管反応性変化を検討した。 イソフルラン麻酔下に家兎をスフィンクスポジションとし、頭蓋有窓法を用いて脳軟膜動脈を生体顕微鏡とそれに接続したビデオカメラシステムを通してモニタに描出した。動脈径の変化を経時的に記録したのち血管径変化を解析した。 脳虚血は、レギチンの持続投与と呼気終末陽圧換気を併用しながら血圧を50mmHg未満に調節し、頸部に巻いたネックターニケットを加圧して作成した。脳虚血状態は血管内に血液の流れが完全になくなることで確認した。10分間の脳虚血後、ターニケットを解除し再潅流させた。 脳虚血再潅流10分後より脳血管の拡張(虚血前の50%程度)がみられ、再潅流1時間後まで拡張は持続した。また、虚血前後でアセチルコリン(10^<-6>M)を窓内に投与し血管反応を検討したところ、虚血後にアセチルコリンによる脳血管拡張は抑制され、内皮依存性弛緩反応が障害される可能性が示唆された。 現在さらに虚血時間を変更し、再潅流後の脳血管拡張と内皮機能障害の経時的変化について検討中である。今後は、これらの血管反応性変化における活性酸素種の関与を検討し、フリーラジカル除去剤の効果について評価する予定である。
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