2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591814
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
杉浦 健之 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 助教 (20295611)
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Keywords | カプサイシン / パッチクランプ / 後根神経節 / 侵害受容器 / 逆行性染色 / ニューロカイン |
Research Abstract |
19年度には科学研究費補助金でパッチクランプ記録のために必要なセットアップの一部を追加し、より効率的に電気生理学的実験を進めることができるようになった。 1)「逆向性染色法」による足底皮膚・筋に分布する神経の同定 これまでに同様の方法で内臓感覚神経の同定は確立できているが、足底に分布する体性感覚神経の同定に関しては、まだ安定した結果が出ていない状況である。染色物質の注入部位、確認時期の検討も行っている。また、投与する注射針をさらに細く(30G)するなど、足底皮膚・筋に分布する神経の同定方法に改善を加え、比較的安定した結果が得られはじめている。 2)パッチクランプ記録による侵害受容器における痛覚受容に関わる受容体・イオンチャネル、特にカプサイシン受容体を含め、その性質を明らかにした。pH感受性の容量依存性、熱閾値、カプサイシンの濃度依存性を中心に検討した。カプサイシン感受性感覚神経を用いて、パッチクランプ記録を行なっているが、マウス培養後根神経節細胞(感覚神経)を用いた実験では、酸(プロトン)に対する反応から、異なるpHに反応する数種類の酸感受性が認められており、虚血組織、炎症組織でのこれらの感覚神経・イオンチャネルの関与が示唆される。現在、ニューロカイン投与による影響を検討中である。 3)行動実験も並行してはじめている。足底にCNTFを投与したあとの変化を機械刺激と熱刺激に対する反応を観察し、現在検討中である。現在までの結果では、CNTF存在下で熱痛覚過敏を起こすようである。
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