2008 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタグランジン分解代謝系遺伝子群が陰茎勃起に果たす役割に関する検討
Project/Area Number |
19591879
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
野村 照久 University of Yamanashi, 医学部附属病院, 講師 (10252040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 正之 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (80197318)
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Keywords | 陰茎勃起 / プロスタグランジン分解代謝系遺伝子群 |
Research Abstract |
同意の得られたヒト海綿体をサンプルとして、real-time PCR法により、プロスタグランジン合成系(COX-1,COX-2)、同分解代謝系(prostaglandin transporter PGT, 15-hydroxyprostaglandin dehydrogenase PGDH)のmRNA発現定量を試みた。その後さらに1例の症例検体を追加することができた。ヒト陰茎海綿体のみの症例が4例、陰茎海綿体と亀頭海綿体の両方を得られた症例が1例、他の1例では陰茎・亀頭・尿道海綿体、陰茎腫瘍の検体を集積することができた。これらの検体では組織学的に、膠原線維や血管系から構築されているため、laser capture microdissectionによる構成成分の分離抽出は必要ないものと考えられるため、海綿体組織全体あるいは腫瘍組織全体からtotal RNAを抽出した。このあと、逆転写反応により作成したfirst strand cDNAをサンプルとしてgene specific primerを用いて、各遺伝子について定量的PCRを行った。陰茎海綿体では、プロスタグランジン合成系の代表であるCOX1(定常的発現酵素)、COX2(一過性強発現酵素)のいずれも強い発現が認められた。この発現比は約10-20対1でCOX2の発現が優勢であったことは興味深いが、手術侵襲に対する緊急的イベントとしてのCOX2強発現と解釈することも可能ではある。プロスタグランジン分解代謝系遺伝子のうちその取り込み輸送体の代表であるPGTの発現は非常に強く、細胞内代謝酵素PGDHの発現はPGT発現量の20-40分の1程度であった。これと比べて亀頭と尿道海綿体組織ではPGTとCOX2の発現量に差はなかったが、PGDHとCOX1の発現量はそれぞれ約350倍、35倍と高く、各組織の役割の違いを想定させる結果であった。
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Research Products
(5 results)