2007 Fiscal Year Annual Research Report
免疫賦活遺伝子を導入した血管内皮前駆細胞を用いた婦人科腫瘍の新生血管標的治療
Project/Area Number |
19591932
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
万代 昌紀 Kyoto University, 医学研究科, 講師 (80283597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 健 京都大学, 医学研究科, 助教 (00362533)
八木 治彦 京都大学, 医学研究科, 助教 (70402857)
鈴木 彩子 京都大学, 医学研究科, 助教 (90378696)
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Keywords | 婦人科腫瘍 / 腫瘍免疫 / 血管内皮前駆細胞 / ケモカイン / 遺伝子導入 / 卵巣癌細胞 / 肺転移 / 腫瘍血管 |
Research Abstract |
研究1年目の本年度はこれまでの準備的研究から本研究を立ち上げるために必要ないくつかの実験をまず、行なった。すなわち、血管内皮前駆細胞(eEPC)にレトロウイルスを用いてCCL19遺伝子を導入し、その発現をRT-PCRおよびELISAで確認した。さらに、同様に蛍光色素遺伝子EGFPも導入した。また、マウス卵巣癌細胞株HM-1を用いて、これを尾静脈から注入、肺転移を形成することを確認した。この後、eEPC-EGFPをマウスの尾静脈から注入し、これが肺転移巣の腫瘍血管に分布することを確認した。以上で実験の基礎的準備を終えたが、肺転移モデルでの実験の前に免疫学的な検討をする必要性を感じたため、まず、皮下腫瘍モデルでの実験から開始した。すなわち、マウスの皮下にHM-1とeEPC-CCL19を同時に皮下投与し、eEPC-controlに比べて、腫瘍の抑制が認められるかどうかを検討した。この結果、eEPC-CCL19投与群ではより有意に腫瘍が抑制された。このモデルにおいて、免疫学的な側面を探るために、まず、脾臓細胞を摘出してELISPOT assayを行なったところ、eEPC-CCL19群で有意にインターフェロンガンマの産生が亢進しており、腫瘍に対する免疫が成立したことを示した。また、局所に対する影響を解析するために、腫瘍に浸潤するリンパ球を免疫染色で確かめたところ、eEPC-CCL19群でより高度なT細胞浸潤を認めた。現在、肺転移モデルを用いてさらなる解析を進めている。
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Research Products
(4 results)