2008 Fiscal Year Annual Research Report
免疫賦活遺伝子を導入した血管内皮前駆細胞を用いた婦人科腫瘍の新生血管標的治療
Project/Area Number |
19591932
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
万代 昌紀 Kyoto University, 医学研究科, 講師 (80283597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 健 京都大学, 医学研究科, 講師 (00362533)
八木 治彦 京都大学, 医学研究科, 助教 (70402857)
鈴木 彩子 京都大学, 医学研究科, 助教 (90378696)
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Keywords | 卵巣癌 / 免疫療法 / 転移 / 血管内皮前駆細胞 |
Research Abstract |
本年度は昨年に引き続いて、マウスにおける卵巣癌肺転移モデルでの腫瘍治療実験を繰り返すとともに、新たに、腹腔内播種モデルの作成も行った。すなわち、マウスの腹腔内にHM-1細胞を接取し、さらに、1週間後からマウスの腹腔内、あるいは経静脈的にCCL-19遺伝子を導入した血管内皮前駆細胞株eEPC-CCL19を用いた治療実験を行った。これらの結果、肺転移モデルで、腫瘍の転移巣の数の縮小だけでなく、マウスの生存期間も有意に治療群で延長することが示された。さらに、腹腔内播種モデルでは、静脈内治療をおこなった群のみにおいて生存期間が延長された。また、eEPCの性格および腫瘍における分布に関してもさらに詳細に検討した。その結果、eEPCは腫瘍の血管内腔に一致して分布していること、さらにこの細胞は、HLAを発現しておらず、アロ免疫の攻撃を受けにくいことが明らかになった。以上のことから、本治療モデルは、卵巣癌の肺・腹腔内等のさまざまな条件での転移病変に対して治療効果を有することが示された。今後、臨床応用に向けて、個体から分離したEPC等を用いた治療実験を行うなど、さらに研究を展開する予定である。また、本研究は現在、医学雑誌に成果を投稿中である。
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Research Products
(3 results)