2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストン脱アセチル化酵素活性化剤を用いたアレルギー性鼻炎根治のための基礎的研究
Project/Area Number |
19591950
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中丸 裕爾 Hokkaido University, 北海道・大学病院, 講師 (20344509)
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Keywords | アレルギー / 鼻炎 / ヒストン / アセチル化 |
Research Abstract |
最初に、肥満細胞のTh2型サイトカイン産生におけるヒストン脱アセチル化酵素の関与の検討を施行した。 方法はラット肥満細胞(RBL-2H3細胞)をDNP特異的IgEと培養し、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(Tricostatin A: TSA)を加え、NP-KLH(抗原)を反応させ培養後、細胞を回収した。RNAを採取し、逆転写後real time PCRにてTh2型サイトカイン(IL-4,IL-5)mRNA量を測定した。結果であるが、TSAを添加した細胞ではTSAの濃度依存性にIL-4,IL-5ともにmRNAの産生量が増加した。また、抗原刺激後の培養上清中の蛋白をELISA法にて測定すると、TSAによる肥満細胞からのIL-4の産生亢進は蛋白レベルでも確認できた。以上より、ヒストン脱アセチル化酵素はTh2型サイトカイン産生を抑制している可能性が示唆された。 次に、同様の実験系にてSIRT1の肥満細胞のTh2型サイトカイン産生に関する実験をした。TSAの代わりにSIRT1の抑制剤であるsuraminを添加した。するとsuraminの濃度依存性にIL-4の産生増加が認められた。一方SIRT1の活性化剤であるresveratorolを添加すると抗原刺激にて誘導されたIL-4の産生は抑制された。 以上のことから、SIRT1は肥満細胞にたいしてTh2型サイトカイン産生を抑制する働きをしていると示唆された。
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Research Products
(4 results)