2007 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類末梢前庭システム(感覚受容器・前庭神経節)の生理・薬理学的解析
Project/Area Number |
19591958
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 健 The University of Tokyo, 医学部・附属病院, 講師 (50251286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 真一 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10359606)
千原 康裕 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20401060)
佐原 資謹 国立精神神経センター, 神経研究所診断研究部, 研究員 (40206008)
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Keywords | 細胞・組織 / シグナル伝達 / 神経科学 / 生理学 / 脳・神経 |
Research Abstract |
実験系の確立 1)灌流制御システムのセットアップを佐原が行った。 2)本年度は動物としてはラットのみを用いた。 3)前庭神経節細胞の細胞体にその末梢受容器(耳石器・半規管膨大部)を付着した標本において、最適な培養方法(培養液・培養時間その他)を模索した。本年度は主に数時間の培養で実験を行ったが、なかなか安定した条件が見出せなかった。伊藤および千原が行った。 4)末梢前庭器をまるごと使用した標本作成を試みた。蝸牛コルチ器において、同様の標本を作製した経験のある伊藤が主に行った。標本採取は手技の向上により可能となったが、割を入れた前庭神経節細胞を実験用ディッシュに安定して固定する方法が確立せず、今後の課題となった。 生理学的実験 佐原の指導下で伊藤・岩崎・千原が協力して進めた。 1)末梢前庭器〜前庭神経細胞体を一体とする標本において、神経のパッチクランプ記録を試みたが、上記の通り、安定した標本固定が得られず、脱分極刺激(電流注入)による神経発火パターンを安定して記録するまでに至らなかった。試行錯誤を継続中であるが、コーティングを施したカバーグラスに割を入れた神経節を機械的に貼り付ける方法が有望であることが分かった。 2)同様の標本において前庭神経節細胞をパッチクランプした上でピペット内に予め入れておいたビオチンにより逆向性染色を行う実験においても、末梢前庭器〜前庭神経細胞体の接続が保たれていないことが多く、標本作成手法を引き続き工夫する必要がある。 免疫組織学的・分子生物学的実験 佐原・千原が行った。神経細胞の性質等を検索した後細胞質を電極内に吸引し、Single Cell RT-PCRを行って、イオンチャンネル(Kチャネル)の発現を調べているが、未だ成功した細胞数が少なく、結論が出せる段階ではない。来年度も継続し、さらにリガンド受容体(P2Xなど)についても検索する予定である。
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