2007 Fiscal Year Annual Research Report
蝸牛有毛細胞の感覚毛能動運動による音伝達機構増幅のメカニズム
Project/Area Number |
19591978
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
君付 隆 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 准教授 (50240908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
賀数 康弘 九州大学, 大学病院, 助教 (70325520)
松本 希 九州大学, 大学病院, 助教 (60419596)
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Keywords | 内耳 / 蝸牛 / 有毛細胞 / 細胞単離 / 感覚毛 |
Research Abstract |
内耳の"cochlea amplifier"の役割のひとつを担うとされている、有毛細胞頂上部の感覚毛の能動的な運動を解明するのがこの研究の目的である。具体的にパッチクランプ法にて感覚毛の能動的運動に起因するトランスデューサー様の電流を測定するが、そのためには細胞単離の成功率を上げることが必須である。感覚毛の運動に起因する"cochlea amplifier"のメカニズムは、内耳蝸牛の有毛細胞でも特に内有毛細胞が有している可能性が高いため、主に内有毛細胞の単離率を上昇させる工夫を行った。具体的には、骨ラセン板をピンセットにて左手で固定、27番の注射針を使って利き手にてコルチ器、基底板を切離していった。明視下に骨ラセン板の骨のなるべく近くを操作し、内有毛細胞、外有毛細胞を共に含めて採取した。これらの操作を施行するのに、購入した新型の高性能実体顕微鏡(ライカマイクロシステムス"社・MZ-95)が大変有用であった。また今までは室温にて細胞単離を行っていたが、今回購入したディアルチャネル温度コントローラを使用し、ホ乳類体温にて単離操作を加えたところ、内有毛細胞の採取率がアップした。今回目的とするトランスデューサー様電流の測定のためには、細胞を充分に固定し、感覚毛をフリーの状態として、Kイオン等をブロックした状態での測定が必要である。しかし、これまでの膜イオン電流の報告の多くは室温での測定あり、ホ乳類体温(37℃)での報告はほとんどない。ブロックするKイオン膜電流の、ホ乳類体温においての特性自体も不明である。そこで、19年度はまず蝸牛内有毛細胞のKイオン電流の温度依存性について測定をすすめたところ、これまで報告されていないいくつかの新知見を得ることができた。
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Research Products
(4 results)