2008 Fiscal Year Annual Research Report
モータ蛋白プレスチンの膜発現様式と機能:プレスチン性難聴の病態の解明
Project/Area Number |
19591980
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
松田 圭二 University of Miyazaki, 医学部, 講師 (40253835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 浩万 宮崎大学, 医学部, 准教授 (20204745)
東野 哲也 宮崎大学, 医学部, 教授 (80145424)
佐藤 伸矢 宮崎大学, 医学部, 助教 (50468047)
下薗 正巳 宮崎大学, 医学部, 助教 (80271138)
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Keywords | モータ蛋白 / プレスチン / 膜発現 / 外有毛細胞 |
Research Abstract |
プレスチン蛋白は、哺乳類の外有毛細胞に発現し、外有毛細胞の運動を介して音響信号増強に関与している。プレスチン機能の低下は臨床的には語音明瞭度の低下や自発的耳音響放射の消失となって表れ、中〜高度難聴の原因となりうると考えられる。またプレスチンはモータ蛋白であると同時にクロールイオントランスポーターであるとも考えられている。その破たんは、細胞容積の膨張や縮小など音響機能にも直接影響を及ぼすことが想定される。さまざまな、ときにはある種の耳毒性刺激が外有毛細胞の膨化を引き起こし遂には細胞壊死を生じさせることが知られている。しかしながら細胞容積調節機構が備わっているはずの外有毛細胞そのものの研究は皆無である。そこでプレスチンが外有毛細胞の膜浸透圧、細胞容積調節に関与しているかどうかを検討することにした。 まず培養細胞(HEK293)を使って細胞外液の浸透圧を変化させたときの細胞容積の変化を顕微鏡上で面積を経時的に測定記録する方法での検討を進めている。プレスチンをGFP蛋白と共発現させたものを使うが、トランスフェクション効率は約50%である。GFP陽性細胞にプレスチンが発現している確率は95%以上であるので、GFP陰性細胞をコントロールに、プレスチン発現細胞との比較検討を進めている。プレスチン蛋白が細胞容積に果たす役割を検討する予定である。今後、プレスチンの発現した正常外有毛細胞とプレスチンノックアウトマウスの外有毛細胞との比較検討がぜひ必要になるが、実験材料の入手ができない状態である。
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