2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591993
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
須貝 外喜夫 Kanazawa Medical University, 医学部, 准教授 (90064625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 弘 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (90288845)
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Keywords | 味覚-嗅覚相互連関 / 味覚野 / 嗅覚野 / 傍梨状核 / 2発刺激 |
Research Abstract |
大脳皮質の味覚野と嗅覚野は嗅溝をはさんで隣り合っている。このような両中枢の配置は2つの感覚野が相互連絡を取り合う可能性を推測させる。脳スライス標本を用いた膜電位光感受性色素による実験では、味覚野の電気刺激により嗅覚野深層の傍梨状核に興奮伝播が、また逆に傍梨状核の電気刺激により味覚野に伝播がそれぞれ誘発され、これらの結果は、相互に機能的な連絡が両野間にあることを示唆する。平成19年度の研究では、この両野間の相互連絡に関しさらに詳細な実験を行い、以下のような新しい発見を得ることができた。前額断切片を用い、嗅覚野である梨状皮質に1発刺激では傍梨状核に伝播が起こらない強度で2発刺激(20-40ミリ秒の間隔)を与えると傍梨状核への伝播が認められた。また、味覚野に対しても同様な閾値下の2発刺激を与えると傍梨状核への伝播が引き起こされた。さらに、味覚野と嗅覚野に閾値下の強度の2発刺激を同時あるいは適当な間隔で与えるとやはり傍梨状核に伝播を引き起こすことが判った。傍梨状核は、これまで嗅覚情報処理の部位としては関心をそれほどもたれず、むしろてんかんの発生源として考えられていたが、これらの結果は、傍梨状核が嗅覚情報のみならず味覚情報処理もおこなっていると考えられ、味覚野と嗅覚野の情報の収束の領域として重要な役割をもつことを示している。
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Research Products
(3 results)