2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592010
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
柏木 賢治 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (30194723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 悟郎 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (60177441)
間渕 文彦 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (20322125)
前田 秀一郎 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (10117244)
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Keywords | グルタミン酸 / 網膜神経節細胞 / グリア細胞 / 緑内障 |
Research Abstract |
成果1) 眼グリア細胞の役割の検討 網膜の主なグリア細胞であるミュラー細胞と視神経の主なグリア細胞であるアストロサイトの網膜神経節細胞(RGC)への影響を比較検討した。その結果、両細胞ともRGCの保護効果があることが確認されたが、アストロサイトはRGCの神経突起の伸長により効果的あった。これらの2つのグリア細胞におけるmRNAの発現を網羅的に解析したところ、非常に異なることが判明し同じ眼内のグリア細胞でもその機能に大きな差異を持つことが判明した。 成果2) グルタミン酸トランスポーターの発現制御とRGC障害 グリア細胞はグルタミン酸調整にグルタミン酸トランスポーター(GLT)を介して重要な役割を果たしているがRGC障害とGLTの関係につき検討した。主要なGLTであるGLAST, GLT-1はin vitroにおいて負荷の種類によって異なる反応を示し、これらを阻害するとRGCの生存率が変化することを明らかにした。さらにin vivo実験の結果、同様にGLTの阻害剤はRGCを主体とした網膜障害に関与する可能性を明らかにした。 成果3) NMDAは主要なグルタミン酸受容体でその阻害は網膜に対し障害を来すことが報告されているが障害の詳細は不明であった。組織学的検討からNMDAの阻害は、主にRGCの大型細胞を障害し小型細胞には影響が少ないことが判明した。このような細胞選択制の高い障害は細胞保護治療の観点から重要な知見であると考えられる。
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