2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592071
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鳥山 和宏 Nagoya University, 医学部附属病院, 講師 (40314017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥居 修平 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60115607)
亀井 譲 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10257678)
八木 俊路朗 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助手 (00378192)
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Keywords | 大網 / SVF / 幹細胞 / 分化能 |
Research Abstract |
皮下脂肪組織には、未分化な幹細胞が豊富に含まれていて、その採取も容易なことから骨髄組織に変わりうる、体性幹細胞のソースとして注目を集めている。一方、大網は、皮下脂肪組織と同様に、豊富な脂肪組織を含み、血管が極めて豊冨であると同時に、その内部に特殊なリンパ組織(大網乳斑)を有している。例えば、大網乳斑は腹腔マクロファージやリンパ球の産生部位で、腹腔内の免疫反応において重要な役割を果たしている。そこで、本研究は、脂肪組織から幹細胞を得る技術を大網へ応用して、大網に含まれる幹細胞について分化能を評価するとともに、皮下脂肪組織と異なる大網の特性を見出すことを目的としている。 現時点で、大網からのstromal vascular fraction (SVF)はほぼ無限の増殖をして、脂肪細胞、一部骨芽細胞に分化することまで確認できた。ここ1年間標本を集積する中で、大網から培養細胞を得るまでの微妙な外科的な手技の影響か、各個体により構成される細胞集団のheterogneityが高く、定量的なデータが出せず苦慮している。一方、in vivoでは、大網上に頭蓋骨骨膜を移植してラット腹腔内で骨を形成させ、組織学的および軟X線で経過を観察している。新生骨を形成する骨芽細胞の多くは骨膜由来と思われるが、一部大網由来幹細胞の可能性もあり現在精査中である。また、大網の特性への課題としては、1ipopolysaccharide (LPS)をマウス腹腔内へ注射して、腹腔内浸潤細胞の変化を大網がある場合とない場合の違いから検討している。
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Research Products
(2 results)