2009 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症のリスク因子の解明と早期診断法の確立に関する研究
Project/Area Number |
19592089
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
真弓 俊彦 Nagoya University, 医学部附属病院, 講師 (90281071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有嶋 拓郎 富山大学, 医学部, 准教授 (20335045)
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Keywords | 敗血症 / リスク因子 / 遺伝子多型 / 早期診断 / antithrombin活性 / recombinant thrombomodulin |
Research Abstract |
敗血症は今もって重症患者での死因の主たる因子であり、その制御は重要な課題である。 今年度は、敗血症患者でのantithrombin(AT)活性に注目し、AT製剤投与前後でのAT活性やその変動に着目し、解析を行った。その結果、DIC症例ではAT製剤投与前のAT活性値は生存例と死亡例の間に有意差はなかつたが、AT製剤投与後の活性値や活性値の上昇率は生存例で有意に高かった。また、最近市販されたrecombinant thrombomodulin (rTM)の投与の有無によるAT活性の変化でも、投与前には投与例のAT活性は非投与群に比し、有意に低いものの、rTM投与後は非投与例よりもAT活性は上昇していた。また、rTM投与群は投与時のAPACHEIIscoreが大きく、より重症であるにも関わらず、非投与例では24%の死亡率に比し、rTM投与群には死亡例はなかった。このことからAT活性やその変動による予後予測が可能であることが示唆された。 また、従来よりも迅速に、また、多数の遺伝子多型を一度に検出できるシステムを用いての全国8施設のICUでの敗血痒患者における遺伝子多型の関与についての多施設臨床研究は症例を集積しているが、遺伝子多型の迅速測定法の意義と各種遺伝子多型と敗血症での予後との関連などについての結果の解析は現在も進行中ではあるが、症例数が300例程でまだ十分な結論を示すことはできていない。
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Research Products
(4 results)