2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロRNAによるCCNファミリー遺伝子発現制御ネットワークとその生物学の意義
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19592142
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
久保田 聡 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90221936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20112063)
服部 高子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00228488)
西田 崇 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30322233)
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Keywords | CCN2 / miRNA / miR-18 / 軟骨 / CCN family / 結合組織成長因子 |
Research Abstract |
1.CCN2遺伝子のmiR-18による特異的制御の検証と、その標的エレメントの解明 ヒトCCN2遺伝子の3'-UTRの様々な断片を作成し、それを蛍ルシフェラーゼ遺伝子直下流に接続したレポータープラスミドを多種準備した。これを化学合成したmiR-18aとともに軟骨細胞様aHCS-2/8細胞に遺伝子導入し、miR-18aの標的を機能的に探ったところ、3'-UTRの最も下流側め230塩基長の部分に標的配列が存在することを確認した。これはin silicoによる予測結果に一致している。また、同様に化学合成したmiR-18aをHCS-2/8細胞に導入し、内在性ccn2遺伝子からのmRNA発現への影響をみたところ、有意な差はみられなかった。しかしCCN2タンパク質産生量は同じ条件下で強く抑制された。これはmiR-18aによる軟骨細胞におけるccn2遺伝子発現調節が翻訳段階で起こっていることを示す証拠である。過去の報告によれば、miR-18aは腺癌細胞ではccn2 mRNAの選択的分解によってその遺伝子発現を調節しているとされており、今回の結果は細胞種によって同じmiRNAが異なった制御機構を稼働している可能性を示している。 2.miR-18の軟骨細胞分化における役割の解析 軟骨細胞様HCS-2/8から低分子RNAを抽出し、miRNAマイクロアレイにて網羅的にmiR-18を含む多様なmiRNAの発現を解析したところ、miR-18aが軟骨細胞において最も著しく発現が抑制されていることが明らかになった。以上の結果からはmiR-18aの発現抑制が結果的にccn2遺伝子を活性化し、それを通じて軟骨細胞の成長・分化を進めている可能性が窺われる。またmiR-18a同様に、ccn2を標的とするとin silicoで予測されるmiR-19aの発現も抑制されており、本年度の研究でこれが新たな研究標的として加わった。
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Research Products
(34 results)