2007 Fiscal Year Annual Research Report
接着システムを応用した歯質保存的(MI)修復法の有効性に関する医療経済学的検討
Project/Area Number |
19592205
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
畦森 雅子 Kyushu University, 歯学研究院, 助教 (90136490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾形 裕也 九州大学, 医学研究院, 教授 (90336016)
百武 弘登 九州大学, 数理学研究院, 准教授 (70181120)
赤峰 昭文 九州大学, 歯学研究院, 教授 (00117053)
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Keywords | 歯質保存的修復 / 無髄歯 / 医療経済 / アンケート調査 |
Research Abstract |
歯質保存的(MI)修復法の医療経済学的有効性を検討するに当たり、この修復法に対する歯科医師のスタンスを把握しておくことは重要である。そこで平成19年度は、「1.九州大学病院歯科部門に勤務する歯科医師および研修医によるMI修復法の臨床応用の実態の把握」、および「2.MI修復法の普及を妨げている要因の把握」を目的として、九州大学病院歯科部門に所属する歯科医師に対しMIに関するアンケート調査を行った。その結果以下の点が明らかとなった。1)回答者の中87%がMIを認知していた。 2)MI修復法の適用意向は生活歯において69%、失活歯において27%であった。一方実際にMI修復法を選択した回答者は生活歯において59%失活歯において23%であり、MI修復法の普及は生活歯に比べ失活歯において遅れていた。 3)MIを認知しているほど、あるいはMI修復法の適用意向が強いほど、実際にMI修復法を適用する確率が大きくなっていた。 4)MI修復法を認識せず、実際にMI修復法を選択しなかった歯科医師は、「保存・補綴系以外」に偏在していた。 5)MI修復法を意図しながら選択しなかった歯科医師、およびMI修復法のアウトカムを懸念してMI修復法を選択しなかった歯科医師については特定の専門領域および卒後年数への偏在は認められなかった。 6)MI修復法の普及を妨げている要因は、生活歯では齢蝕罹患性に関する懸念・接着材の接着性能に関する信頼性の欠如、失活歯では歯の破折に関する懸念・接着材の接着性能に関する信頼性の欠如であった。以上より、MI修復法の普及には、特定層にターゲットを絞ったアプローチではなく、包括的な対応が必要と考えられ、特に従来型修復法に満足している歯科医師に対して、MI修復法に有利になるような現在の診療報酬の見直しなど、MI修復法への注意を喚起する何らかのインセンティブが必要と考えられた。
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Research Products
(3 results)