2008 Fiscal Year Annual Research Report
カスタムインプラントに適した歯科CAD/CAM用チタン合金の開発
Project/Area Number |
19592223
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊地 聖史 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 助教 (50250791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 雄京 東北大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (10206766)
高橋 正敏 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (50400255)
稲垣 亮一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (60260444)
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Keywords | チタン合金 / 歯科用合金 / CAD / CAM / インプラント / 切削性 / 切削温度 |
Research Abstract |
切削力からみた機械加工性や機械的性質,耐食性などの点から、銀の添加量が25%以下のTi-Ag合金がカスタムインプラントに適していることが分ってきた。そこで,試作Ti-20%Ag合金を歯科CAD/CAMで切削し、使用回数と工具磨耗の関係を調べたところ、試作合金は純チタンより有意に工具磨耗が少ないことが分り,工具寿命からみた機械加工性にも優れていることが分かった。切削温度の上昇は、工具寿命や切削面性状に対して悪影響を及ぼすと言われている。そこで、カスタムインプラント用チタン合金の機械加工性の評価法の一つとして、切削温度の測定を試みた。切削温度の測定は、工具と被削材の接点を熱電対とみなす工具-被削材熱電対法により行った。まず純チタンと市販のチタン合金について調べたところ,Ti-6Al-4VとTi-6Al-7Nbの切削温度は純チタンより有意に高かった。その原因として,Ti-6Al-4VとTi-6Al-7Nbは切削力が純チタンより大きく,熱伝導率が純チタンより小さいことが考えられた. Ti-6Al-4VとTi-6Al-7Nbの切削温度に有意差は無かった。また、単位時間当たりの切削量が同じでも, 切込みを大きくした方が回転速度と送り速度を大きくするより切削温度を低くできることが分かった。これらのことから、切削温度の測定は、新しい歯科CAD/CAM用チタン合金の開発や切削条件の最適化に有用であると考えられた。
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