2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592244
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
永尾 寛 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (30227988)
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Keywords | 歯学 / 総義歯 / 咬合様式 |
Research Abstract |
リンガライズド・オクルージョン、フルバランスド・オクルージョンの両咬合様式ともに長所・短所があり、咬合様式の選択にあたっては概ね顎堤条件によってどちらを選択するか決定しているのが現状である。しかし、臨床では、顎堤条件ばかりでなく、生活習慣、食習慣、口腔機能、性別、個性、QOLなどの条件が複雑に存在し、これらを考慮するとどちらの咬合様式を選択するか明確な指標がなく、迷うことが多い。これまでの報告では、QOLを含めた患者主体の評価がほとんどない。そこで、QOL、義歯満足度などの患者の主観的な評価と顎堤条件、咀嚼状態、咬合など客観的評価を総合的に判断し、咬合様式選択の指標を得ることとした。 実験当初に被験者が集まらなかったことを鑑み、昨年度から実験期間を約5ヶ月に修正した結果、本年度は14名(男性:2名、女性:12名)の被験者から実験参加の同意を得ることができた。しかし、5名(男性:1名、女性:4名)は義歯調整を行うも下顎位が安定せず、最終的に被験者として採用できなかった。また、女性4名は義歯を装着し、現在調整を行っている最中である。 現在まで進捗状況は、同意が得られた被験者は23名であったが、そのうち9名は下顎位が不安定であり被験者として採用できなかった。最終的な被験者数は14名(男性:4名、女性:10名、義歯装着後調整中4名含む)となった。 調整中の被験者が終了次第、これらを加えた統計学的な検討を行う予定である。 これまでの結果から、咬合様式の選択にあたっては、従来のように術者が顎堤条件などの客観的指標のみを考慮するのではなく、患者の主観的指標も有用であり、両者を考慮に入れて総合的に(多軸で)判断することが重要であると考えられる。
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