2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592245
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
河野 文昭 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60195120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 賢一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (00301317)
大石 美佳 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (50263851)
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Keywords | リン酸三カルシウム / HAPセメント / 生細胞数 / Sr-HAP / 擬似体液中 / MC3T3-E1 / DNA変化量 / 細胞毒性 |
Research Abstract |
リン酸三カルシウム(TCP)は生体内で溶解性が高いことから、骨に置換する材料になる可能性がある。このことから、本研究では、TCPを基材として早期に骨に置換するHAPセメントの開発と実用化を目指して、硬化体の低結晶化と骨形成促進効果、骨吸収抑制効果を図ることを目的にHAPセメント中にSrを導入することを試みている。すなわち、α-TCPの粉末を塩化ストロンチウム水溶液とリン酸二水素ナトリウムで連続的に練和する新しいHAPセメントを試作した。試料作製1週間後のXRDの結果により、試作HAPセメントにSr-HAPが生成されていることはすでに確認されている。本年度は,組織為害性について検討した.擬似体液中への浸漬試験の結果,α-TCP系従来型ハイドロキシアパタイト(従来型HAP)に比べ,pHの低下が著しかった.これは,従来型に比べ試作試料は溶解性が高いためと考えられた.MC3T3-E1を用いた細胞毒性試験では,生細胞数およびDNA変化量から従来型のHAPと同等の細胞毒性であることがわかった.さらに,ラット骨組織内への移植実験で者,移植後1週間は従来型同様に著し炎症反応が認められたが移植後2週間で炎症反応が消失し、骨芽細胞の増殖と骨の新生が認められた。これは,生体移植後に生じるpHの著しい低下が影響しているものと考えられた.移植後4週間になると,従来型HAPに比べ新生骨が多く認められ,SrをHAPセメントに導入することにより、骨との置換は早い骨セメントの可能性が示唆された.今後,生体埋入時に生じるpHの著しい低下をいかに抑制するか,また初期に生じる炎症をどの様に抑制するか,検討して材料設計を行う予定である.
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Research Products
(1 results)