2007 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ管造影CTを用いたセンチネルリンパ節同定法の口腔癌への応用と有用性の検討
Project/Area Number |
19592281
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
福田 雅幸 Akita University, 医学部, 准教授 (20272049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 洋二 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20200214)
永井 宏和 秋田大学, 医学部, 講師 (50282190)
高野 裕史 秋田大学, 医学部, 助教 (30282172)
中田 憲 秋田大学, 医学部, 助教 (50400510)
戸村 則昭 秋田大学, 医学部, 准教授 (90143049)
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Keywords | センチネルリンパ節 / 口腔癌 / リンパ管造影CT |
Research Abstract |
1.対象:T1N0およびT2N0の未治療の口腔癌患者8例を対象とした。なお、本研究は、秋田大学医学部倫理委員会の承認を受け、インフォームドコンセントが得られた患者に対して施行した。 2.治療前評価:腫瘍の詳細な評価を行うために、頭頸部のCTおよびMRIの撮影を、また、遠隔転移の評価は、ガリウムシンチグラフィーと胸腹部造影CTの撮影を行った。 3.センチネルリンパ節(SLN)の同定:リンパ管造影CTによるSLNの同定を、手術の2日前までに行った。手術開始時に、パテントブルーを腫瘍周囲の粘膜下に注入し、青染したリンパ管およびリンパ節を同定した。青染リンパ節が、リンパ管造影CTで同定したリンパ節と一致するかどうか確認し、リンパ節を摘出した。 4.病理組織学的観察:摘出したリンパ節は、術中迅速病理組織検査に提出し、病理組織学的に転移の有無を診断した。病理組織学的に転移が陽性の場合には、全頸部郭清術を適用し、転移陰性の場合は、腫瘍切除のみを行い、経過観察とした。 5.結果:リンパ管造影CTでSLNを同定できたのは、8例中4例であった。いずれも舌癌の症例で、1例に転移陽性が認められたため、頸部郭清を行った。切除標本を検索したところ、SLN以外のリンパ節には転移は認められなかった。 6.考察:下顎歯肉癌4例は、全例ともSLNの同定ができなかったことから、舌癌のような難組織に限局して発生した癌のリンパ路が把握しやすく、SLNの同定も比較的容易であることが推察できた。また、臨床研究と並行して、ウサギVX2口腔癌転移モデルも作製した。入手したVX2癌細胞の培養、維持を当教室にて行い、舌癌モデルの作製を行っている。しかし、個体により移植癌細胞の定着率が異なるためか、増殖や転移の速度が異なり、当初予定した実験をすべて遂行することは極めて困難であった。動物実験に関しては、平成20年度も継続して行う予定である。
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Research Products
(2 results)