2008 Fiscal Year Annual Research Report
唾液より検出される新規腫瘍マーカーの機能解析による口腔癌の新しい診断法の確立
Project/Area Number |
19592312
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
松浦 光洋 Showa University, 歯学部, 助教 (00297037)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 大典 東京医科歯科大学, 歯学部, 特任講師 (40286844)
新谷 悟 昭和大学, 歯学部, 教授 (80294429)
|
Keywords | 口腔癌 / 唾液タンパク / 新規腫瘍マーカー |
Research Abstract |
口腔の早期癌の治療成績は、病変を早期に発見して早期に適切な治療を施せば概して非常に良好である。口腔内は直視できるので、早期発見が容易なはずであるが、炎症性口腔粘膜疾患や前癌病変との鑑別、または治療後再発の適切な診断ができないと治療の遅れにつながり、予後不良となることがある。早期癌の適切な診断には、前癌病変あるいは早期の遺伝子異常の段階で病変をとらえる必要がある。唾液による口腔癌診断に関しては以前より、いくらかの試みが行われてきたが、いずれも口腔癌に特異的な変化を唾液で検出できるのかといった検討である。 我々は、癌患者の担癌状態(治療前)と非担癌と考えられる状態(治療後)の唾液をプロテインチップによって網羅的に解析し、新たな癌関連因子候補を見いだそうとする試みを行ってきた。 すなわち、 (1)口腔癌患者の担癌、非担癌状態での唾液中タンパク質のプロテインチップを用いた網羅的解析。 (2)担癌状態で特異的な変化として検出される腫瘍マーカー候補因子の同定。 (3)腫瘍マーカー候補の組合せによる高い精度をもつ診断法確立の検討。 (4)同候補因子の口腔癌の発生、進展における発現の意味。 について検討している。 健常者、口腔白板症患者、および口腔癌患者より安静時唾液を採取し、プロテインチップ解析を行った結果、口腔癌患者において高率に検出される8種類のタンパクが同定された。そのうち3つは、アミノ酸配列と機能が未知のタンパクであるため、アミノ酸配列の解析を行ったが、既知のヒトタンパクとの相同性の検索を行い、ポリクローナル抗体を作製した。その抗体を用いて癌患者切除標本、前癌状態である白板症、健常者の粘膜で免疫染色を行い比較検討した。また、in vitroにおいて各種癌細胞株におけるタンパク発現を検討した。
|