2007 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌の頸部リンパ節転移に関わる染色体・遺伝子異常の解析
Project/Area Number |
19592335
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
土井田 誠 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90313890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 恵三 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (40397336)
山下 知巳 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (80345793)
柴田 敏之 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50226172)
牧田 浩樹 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (50345790)
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Keywords | 遺伝子 / 癌 / ゲノム / 歯学 / リンパ節転移 |
Research Abstract |
口腔扁平上皮癌10症例の手術時に、原発巣と頸部リンパ節転移巣より同時に得た10対の凍結組織材料よりDNAを抽出し、精製DNAをハンガリー共和国デブレツェン大学医学部予防疫学教室(海外協力者:Margit BALAZS教授、Roza ADANY教授)に空輸し、Nick translationにて蛍光標識した微細断片化DNAを作製。これを米国NationalCancer Institute, Comprehensive Cancer Center, Microarray Coreに空輸し、Microaray CGH解析を外注した。本解析により、症例1において、原発巣で11p11.2-p13,6p12-p21.1の増幅、転移巣で11p12-p13,1p31、8q11.2、8q12の増幅、症例2において、原発巣で3q26.2-q26.3の増幅、転移巣で3q26.2-q26.3,3q21-q28の増幅と2q37.2の減少、症例3において、転移巣で7p21.1bの増幅(原発巣では変異認められず)、症例4において、転移巣で10q21.3,1q25,4q22,4q28,4q32,2q32.3,3q24.3,7q21.11dの減少(原発巣では変異認められず)が認められた(下線部分が、転移巣に特有の異常であり、この部分にリンパ節転移に関わる遺伝子が含まれていると考えられる)。さらに中間期FISH法による解析では、これらの増/減領域に関して、それぞれtrisomic/monosomic cellの増加が認められた。2007年度は、予算の関係からMicroarray CGH解析は、8検体(4対)のみ行ったが、残り6対のDNAについても、既にMicroarray Core(米国NCI,CCC)に空輸済みであり、2008年度早々にmicroarray CGH解析が可能な状況となっている。 本研究の特徴は、手術時に原発巣と転移巣より同時に得られたDNAを用いて、複合的、網羅的な遺伝子・染色体異常の解析を行う点にあり、今後は、さらに中間期FISH法、modified CGH法にて解析を進め、Microarray CGH法による解析結果との比較を行うとともに、リンパ節転移に関わる遺伝子・染色体異常を解明していく予定である。
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