2007 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織のロバストネスに視点をおいた歯周病予防法の研究
Project/Area Number |
19592388
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
木戸 淳一 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (10195315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 正俊 産業技術総合研究所, 健康工学センター, 主任研究員 (20224438)
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Keywords | 歯学 / 歯周病予防法 / ロバストネス / 抗菌ペプチド / マイクロアレイ |
Research Abstract |
健常時の上皮組織のロバストネスを検討するために株化ヒト上皮細胞におけるCalprotectin(S100A8/S100A9)やβ-Defensin(hDB-2)を含む複数の抗菌ペプチドの発現について上皮細胞由来のInterleukin-1α(IL-1α)および線維芽細胞由来のKeratinocyte Growth Factor(KGF)の及ぼす影響を検討した。その結果、IL-1αはS100A8/S100A9、S100A7、hDB-2およびSecretory leukocyte protease inhibitor(SLPI)を含むいくつかの抗菌ペプチドの発現を増加させたが、KGFはS100A8/S100A9とS100A7の発現を抑制する一方、SLPIの発現を増加させ、hDB-2には影響を及ぼさず、2つのサイトカインは抗菌ペプチドにより異なる発現制御を示した。また、IL-1αとKGFの作用機構においてMAPK経路の、それぞれp38経路とERK経路の関与が認められた。一方、ロバストネスを向上させる薬剤の検討を行った結果、漢方薬の小柴胡湯が株化ヒトロ腔上皮細胞においてIL-1αの増加調節を介してCalprotectinやS100A7の発現を増加させることが明らかとなった。現在、徳島大学臨床研究倫理審査委員会の承認のもとに採取したヒト歯肉組織片から上皮細胞の培養を行っており、今後、同上皮細胞における抗菌ペプチド発現についてマイクロアレイ分析を引き続き行い、正常時およびIL-1α添加による抗菌ペプチド発現の動態について検討を行う予定である。
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Research Products
(2 results)