2008 Fiscal Year Annual Research Report
生理的口臭に関与する唾液中アミノ酸の解析と口臭抑制成分の検索
Project/Area Number |
19592407
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
日野出 大輔 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (70189801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 昌美 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (90243708)
横山 正明 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (10314882)
福井 誠 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50325289)
星野 由美 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60457314)
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Keywords | 生理的口臭 / 真性口臭症 / シスタチンC / メチルメルカプタン / methionine / Porphyromonas gingivalis / クランベリー / 口臭ケア |
Research Abstract |
本年度は,生理的口臭患者を含む18名の真性口臭症患者から得られた唾液検体を用い,ウェスタン・イムノブロッティングの手法にて,シスタチンCの存在を半定量的に測定した。その結果を用い,PCRによる唾液および舌苔中の総菌数,Porphyromonas gingivalis(P.g.)およびFusobacterium nucleatum(F.n.)の菌数測定結果や他の口臭に関与する臨床データとの関連性を調べた。スピアマンの順位相関係数検定の結果,唾液中のシスタチンC量はハリメーター値(揮発性硫黄化合物量:VSC)との間に有意な逆相関(相関係数-0.53,p<0.05)を認め,特にガスクロマトグラフィーにて測定したメチルメルカプタン量との間の逆相関(相関係数-0.48,p<0.05)が確認された。一方,2名の生理的口臭患者に対してブラッシング指導,PMTCなどを行い,介入前後の唾液検体を採取して口臭産生の基質となる含硫黄アミノ酸量の変化を調べた。その結果,口臭の改善した2名とも,cystine量に大きな変化は認められなかったが,1名は介入後のmethionine (Met)量が大きく減少した。これらの結果は,唾液中のシスタチンCが口臭産生抑制に深く関与することや,メチルメルカプタンはMetから産生されることから,唾液Metの測定が口臭症改善の臨床マーカーとなる可能性を示唆するものである。 また,カナダ・ラバル大学より供与を受けた高分子クランベリー抽出物を用いてP.g.およびF.n.の産生する硫化水素およびメチルメルカプタン産生量への影響を調べた。それぞれの口臭関連細菌培養液に抽出物を添加した結果,P.g.の産生するメチルメルカプタン産生を部分的に抑制する傾向が認められ,クランベリーの口臭ケアへの応用の可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)