2008 Fiscal Year Annual Research Report
小児がんの子どもの将来にむけての弾力性とその支援:小児がん長期生存者を中心に
Project/Area Number |
19592529
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
石橋 朝紀子 Fukuoka Prefectural University, 看護学部, 教授 (80305838)
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Keywords | 小児がん長期生存者 / 弾力性 / 強さ / 弾力性の過程と要因 / 家族的支援 / 社会的支援 |
Research Abstract |
この研究の目的は、小児がんの長期生存者の弾力性を高める過程と要因を明らかにし、看護支援の枠組みを立案することである。平成20年度の目的は、主に調査と解析を実施し弾力性とその要因を探ることであった。 平成20年度は、平成19年度に収集した、千葉県内に住む研究協力者9名の面接データを、研究代表者と研究協力者の4名が東京に集合し解析を実施した。メールや電話でのやりとりでは詳細な内容を共通理解することが困難であったことと、質的研究のパターン適合法を使った解析を行うため、1例目のデーダには十分な時間が必要であったことから、今年度は3名の解析を行う計画であったが、3回の合同作業で2症例のみの解析を行った。予定していた新しい施設の開発は、質的研究として十分な症例数とみなし行っていない。パターン適合法の専門的知識をための訪問は、それに変わる新たな専門書を購入したことで代用した。 平成15〜17年度の研究で、退院間近の小児がんの思春期の子どもが、Hinds&Martlnの自己を高める過程のモデルと似かよった経験をしていることが明らかになった。さらに、このモデルにない、弾力性に影響すると言われている精神的な強さが判明された。この強さの5つの要因は、初発の子どもでは診断時の母親の前向きさに、再発の子どもでは友達や社会的支援に影響をうけていた。平成19〜20年度ではこの強さが退院後にどのように変化するか探求した。これまでの小児がん長期生存者3例(初発と再発の子どもを含む)のデータ解析では、子どもの強さが学校や社会支援の有無やその支援の内容に影響されている傾向がみられた。平成21年度で、さらに4名のデータ解析を追加することにより、この研究の妥当性を高め、その研究結果を具体的な支援策へと繋げていく計画である。
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