2009 Fiscal Year Annual Research Report
重度認知症高齢者に対する音楽療法の効果的な介護介入方法の検討
Project/Area Number |
19592567
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂元 眞由美 (川島 眞由美) Kobe University, 保健学研究科, 助教 (10437444)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 大輔 畿央大学, 健康科学部, 助手 (20511554)
|
Keywords | 音楽聴取 / 近赤外分光法NIRS(Near-Infrared Spectroscopy) / 自律神経指標 / 重度認知症高齢者 |
Research Abstract |
1)我々は平成19年~20年重度認知症高齢者に対し音楽療法研究を実施し、好きな音楽の受動的聴取または能動的歌唱の両者共に短期的精神安定効果があることを自律神経の変化で確認た。一方、長期的効果においては関心・注意・感情機能に焦点を当てた音楽提供者の音図的介入による能動的音楽活動によって生活機能の改善効果、さらに受動的音楽聴取による機能維持が認められた。このような結果から、好きな音楽を受動的に聴取することも重度認知症高齢者に何らかの影響があることが示唆された。そこで、今回、音楽療法で使用した好きな音楽刺激がのような影響を及ぼすのか、その効果を脳活動指標(機能的赤外分光法:f-NIRS)と自律神経指標(心電図)を測度とし、学生を対象に前頭葉の活性化と精神面に焦点をあて検証した。結果、好きな音楽でテンポの早い音楽聴取時のみ、前頭葉で広範囲に脳血流の上昇と交感神経優位な結果が得られ、脳を活性化させるためには早いテンポの好きな音楽の活用が有効であることが明らかになった。 2)認知症ケア・音楽療法が高水準なスウェーデンにて、看護の場における音楽療法の具体的介入方法の検討のために情報収集・調査を行なった。 結果;(1)認知症高齢者の生活に関する詳細な情報の1つとして必要であれば音楽情報も伝達され、他施設や在宅において活用できるよう連携システムが機能。(2)小集団でなじみの音楽を使用しコミユニケーションの1つとしての活用。(3)四肢のリハビリを実施時、注意の持続や気分の高揚、運動の連動、一体感を目的とした意図的な音楽活用など。この調査により、認知症の特性および個別性に合わせた日常での音楽の活用をプログラミングすることの重要性を確認した。 なお、平成19年度からの研究結果をまとめ、平成22年海外学会誌に投稿する予定である。
|