2010 Fiscal Year Annual Research Report
育児不安の実態とその関連要因に関する縦断研究~都市部と郡部の比較~
Project/Area Number |
19592594
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
山田 和子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (10300922)
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Keywords | 育児不安 / 乳幼児健康診査 / 自記式質問紙 / 都市部 / 郡部 |
Research Abstract |
I. 目的 核家族化、少子化が進行する中、育児のあり方は社会状況により変化する。近年のこれらの変化の中、特に子どもの年齢に応じた育児不安の実態を把握し、都市部と郡部における育児不安や育児環境を比較することを目的に調査を行った。平成20年度には4か月児健康診査対象の母親約100人に対して自記式質問紙調査を実施した。この対象に対して縦断研究として1歳6か月児健康診査時点(健康診査は1歳8か月時点に実施)の母親の状況を把握することを目的に行った。 II. 結果 1歳6か月健診対象の母親111人を対象に縦断調査を行い、回収率94.6%であった。調査期間は6か月間であった。調査項目は父親の状況、子どもの状況、育児の状況、母親の状況、サービス利用状況等であった。 調査の結果、子育てに対する気持ち得点として、「とても楽しい状態」を10点、「とても大変な状態」を0点として現し、最大10点、最小1点となり、平均7.9点であった。平均点以下は25名(24.8%)で、その内訳は7点5名、6点6人、5点8名、4点4名、2点1名、1点1名であった。得点が1点であった事例は子どもに言葉の遅れがあり、子どもに育てにくさを感じるとともに、子育てについて手伝ってもらえる人はなく、子育ての気持ち、母性意識は低く、子どもへの対応にも困難を感じていた。しかし、地域の各種サービスを利用していた。得点が2点であった事例は、子ども自身に問題はなかったが、子育てに対する気持ち、母性意識は低かった。地域の各種サービスを多く利用していたが、さらに親が息抜きできる場を求めていた。子育に対する気持ち得点と子育てに対する気持ち、母性意識が関連していることより、子どもの状況、母親の状況、サービス利用状況等も含めて総合的にアセスメントした上で、支援する必要がある。
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