2008 Fiscal Year Annual Research Report
離島・山村過疎地域における市町村保健師活動のプライオリティの判断に関する研究
Project/Area Number |
19592604
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
春山 早苗 Jichi Medical University, 看護学部, 教授 (00269325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 久美子 自治医科大学, 看護学部, 講師 (80341783)
塚本 友栄 自治医科大学, 看護学部, 講師 (00275778)
工藤 奈織美 自治医科大学, 看護学部, 講師 (50315553)
小川 貴子 自治医科大学, 看護学部, 助教 (50450002)
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Keywords | 看護学 / 公衆衛生 / へき地 / 保健師 / プライオリティ / 離島 / 山村 / 過疎 |
Research Abstract |
本研究の目的は、離島・山村過疎地域における行政看護管理機能からみた保健師活動のプライオリティに関わる判断の根拠となる視点と判断に影響する要因を明らかにすることである。今年度は、昨年度に引き続き保健師配置数が1〜2人である、離島一村(A)、山村過疎地域一村(B)、保健師配置数が3人以上である、離島一町(C)、山村過疎地域二村(D)に加え、山村過疎地域である旧町村を合併した一市(E)、保健師配置数が3人以上である都市部の一市(F)の保健師へ半構成的面接調査等を行い、保健師活動のプライオリティに関わる判断の枠組みを検証、精錬した。データ収集項目は、2000年度〜2008年度新規事業や保健師の判断により中止・変更・委託等した保健事業等について、判断根拠となった考え方や情報、判断に影響したこと、判断内容と行為、判断の評価とした。これらのデータを質的に整理・分類し、昨年度の結果(AとC、BとD、A・CとB・Dの比較)とE、Fを比較し、共通点と相違点を分析した。 その結果、昨年度の結果とEとの共通点として、判断の考え方には「予防的意義の高い活動の強化」「住民個々に密着した活動の重視と維持」「住民側の協力者の育成」が、判断に影響する要因には「住民の交通手段」「保健師のマンパワーの変化」が、判断の視点には「旧住民か、新住民か」があった。Fとの共通点は判断の考え方の「住民側の協力者の育成」のみであった。相違点として、判断の考え方には、「必要な住民に保健活動を浸透させること(E・F)」「住民主体の活動の拡大(E・F)」「母子保健活動の強化(E)」「他領域との協働による保健活動の強化(F)」があった。判断に影響する要因には「住民の保健サービスへのアクセス(E)」「合併による山村過疎地区の担当保健師数の減少(E)」「住民側協力者育成状況(E)」があった。判断の視点には「保健事業の未利用・参加者(E・F)」「対象や目的が共通する他領域の事業(F)」「事業間の対象や目的の重複(F)」「事業実施の実施方法や質の維持等安定性(F)」があった。
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