2007 Fiscal Year Annual Research Report
認知症高齢者の施設入所を決断するまでの家族介護者の心理的変化
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19592611
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
櫻井 美代子 Jikei University School of Medicine, 医学部, 教授 (20246408)
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Keywords | 認知症高齢者 / 認知症グループホーム / 娘介護者 / 施設入所決断のプロセス |
Research Abstract |
本年度は3年計画の1年目として、聞き取り調査の視点に関する検討とフィールド開発を重点的に行った。まず本研究の目的を踏まえ、ヒヤリングのプロトコルを明確化させるために、調査の対象を「1年以内に認知症グループホームに実の親を入所させた娘」とした。さらに「親の介護」という家族機能保持の有無による地域性を明確化するために、フィールドは都内と農村の多いN県とした。 調査の実施にあたっては、都内のAグループホームおよびN県のIグループホームの施設長に研究の目的・調査方法等を説明して調査の協力を依頼した。A施設では、現在入所している高齢者が2年以上とのことで該当者がいなかった。またIグループホームでは、施設長から紹介してもらった2事例のうち1事例は、直前になってから他の家族員から反対されたとの理由で調査の協力を得ることが出来なかった。そのため、研究者の知人を介して調査協力が得られた家族を対象とした。 本年度は、聞き取り調査の視点に基づきパイロット・スタディを含めて都内とN県で各2例づつにインタビューを実施し、データを収集した。現在は、事例の録音内容の逐語録に対するオープンコーディング作業を行っている段階であり、その概念化によって今後のサンプリングを検討する予定である。また質的研究を進めるにあたっては、対象者への倫理的配慮を含めた丁寧な説明など、調査協力を得るためのトレーニングの重要性について実感することができた。
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