2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592616
|
Research Institution | Hyogo University |
Principal Investigator |
辻 立世 Hyogo University, 健康科学部, 准教授 (60434958)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久井 志保 兵庫大学, 健康科学部, 助教 (30434963)
岡本 陽子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 准教授 (50425138)
石田 妙美 東海学園大学, 人間科学部, 准教授 (60290160)
永石 喜代子 鈴鹿短期大学, 生活学科, 准教授 (20335128)
|
Keywords | 養護教諭 / 社会の期待 / 緊急時の看護能力 / 重症度の看護判断 / 看護アセスメント能力 |
Research Abstract |
社会環境の変化により子供の心身の健康問題は大きな課題である。「養護教諭は養護をつかさどる」(学校教育法第37条12)とあり、校内で唯一、健康問題を扱う常勤の専門職として健康診断、個別・集団指導、健康相談、救急処置などを担ってきた。 養護教諭の看護能力に対する社会の期待は、養護教諭の本務の基本と言える救急処置で占められていた。現職の養護教諭への実態調査では、看護師免許の無い養護教諭は、救急看護の場面で、自信を持って子どもに対応していない事が明らかになった。養護教諭免許は教職免許法に定められ、看護師免許の有無に関係なく授与される。そのため、養護教諭養成段階で、看護学の基礎的知識と学校保健に必要な看護技術の習得が必要と考えられる。 保護者のクレームは、救急処置時の対応が多く、骨折や打撲、捻挫などのアセスメントや対応、処置の判断、病院への受診判断、救急車要請の判断基準などで、養護教諭の判断の甘さがクレームにつながっていた。外傷の救急処置の対応の特徴は、処置の判断、保護者への説明能力が問われていた。適切な判断や救急処置は、エビデンスに基づいた看護の判断能力、調整能力、人間性をも兼ね備えた看護力が必要であることが明らかとなった。総合的な看護判断と養護教諭としての誇りは、養護教諭のモチベーションとして、看護能力に対する自信度は非常に重要な要因であることが示唆された。 養護教諭の看護能力の社会の期待に即した教育・研修に寄与するために、目標達成の基準やガイドラインを作成した。今後、養護教諭養成教育の充実、現職養護教諭へ研修や啓発活動が必要である。最後に、養護教諭の看護学は、病院の臨床と異なる部分もあり、養護教諭養成に適した「学校看護学」の新設と、養護教諭に特化した看護教育の充実と専門性を担保するためのガイドライン、「学校看護学」に適した教材やガイドブックの作成が急務である。
|
Research Products
(5 results)