2008 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア圏域の高齢者のスピリチュアリティモデルの開発
Project/Area Number |
19592617
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
国光 恵子 (竹田 恵子) Kawasaki University of Medical Welfare, 医療福祉学部, 教授 (40265096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太湯 好子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (10190117)
中嶋 和夫 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (30265102)
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Keywords | スピリチュアリティ / 高齢者 / QOL / 看護 / 東アジア圏域 |
Research Abstract |
本研究の目的は高齢者のQOLを支えるケアとして、スピリチュアルな側面に注目した看護介入のあり方について検討する基礎資料を得るために、東アジア圏域(日本、韓国、中国)における高齢者のスピリチュアリティモデルの開発を行うことである。本年度は、スピリチュアリティ尺度の開発とスピリチュアリティモデルの検討に向けて分析を進めた。さらに韓国および中国の高齢者ケアの現場を視察するとともに両国の研究協力者と分析結果について討議し、その妥当性について検討した。 まず日本調査をもとにスピリチュアリティ尺度の構成概念妥当性および信頼性の検討を行った後、韓国および中国調査データについて構成概念妥当性に関する交差妥当性の検討を行った。その結果、3カ国の高齢者においては「生きる意味・目的」などの6因子が無視できない共通性の高い変数であることが示された。そして韓国および中国の研究協力者との討議を通して、先述の知見が妥当であるという共通理解を得た。さらに、本研究データにおいて日本人および中国人高齢者は「他者との関係性」を生きる支えとしている傾向にあることや、韓国人高齢者のモラールが他の2カ国の高齢者に比して低い傾向にあること等が示された。これらの結果は家族形態や扶養意識の変化と関係している可能性のあることが、現地視察や研究協力者との討議を通して推察された。このような状況から、高齢者のスピリチュアリティ支援やスピリチュアリティ研究の必要性を再確認するとともに、スピリチュアルな健康への支援として、自立生活の維持・向上への支援に加えて、加齢や疾病により自立した生活が困難になった時の支援の在り方の探求が重要課題として考えられた。以上の研究成果を踏まえつつ、現在、スピリチュアリティモデルの検討を継続して実施しているところである。
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