2007 Fiscal Year Annual Research Report
マウス胚性幹細胞に由来する多能性造血前駆細胞の解析
Project/Area Number |
19599010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山根 利之 Mie University, 大学院・医学系研究科, 講師 (30452220)
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Keywords | 造血幹細胞移植学 / 胚性幹細胞 |
Research Abstract |
我々はマウス胚性幹(ES)細胞をストローマ細胞株上で分化させ、未分化細胞からの分化過程を培養皿上で再現させることで、マウス発生過程において最初期の骨髄球系譜とリンパ球系譜への両分化能を有する多能性造血前駆細胞の単離を行い、その表現型、分化能を明らかにしてきた。しかしながら、これらの細胞は成体マウスヘ生着能を有していないことを見いだしている。 そこで、移植不能性に関与する欠陥プロセスを調査するため、まずEF1αプロモーター下にクラゲ由来緑色蛍光タンパク質EGFPを発現するD3ES細胞をストローマ細胞株ST2上で分化させ、多能性造血前駆細胞であるc-Kit^+AA4.1^1細胞をFACSにより単離し、放射線照射を行ったRag2、IL2Rrc両遺伝子ノックアウトマウスヘ静脈注射により移植し、ドナー細胞が造血組織へ到達しているのか、またどの時点で移植細胞が失われているのか検討した。その結果、骨髄の造血細胞に比べ若干、ホーミングの効率は下がるものの、移植後3時間から6時間の時点では、EGFP陽性のドナー細胞は脾臓、大腿骨に検出された。しかしながら、移植後2日目にはこれらの造血組織におけるドナー細胞は激減していることから、造血組織へ到達後、停留できないことが予想された。ES細胞由来c-Kit^+AA4.1^+細胞はホーミング及び停留に必要なインテグリンα4β1、またCXCR4分子を細胞表面に発現していたことから、今後、インテグリンα4β1、CXCR4分子が実際に機能しているか活性を調べるとともに、造血組織へのホーミング/停留に関わるその他の分子の探索も行う。
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Research Products
(5 results)